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小説

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笑顔

翌朝には熱が下がり、次の日は雑誌の取材。
その後4日続いた仕事を終えると、翌週に待ち受けているのはずっと避けていたコンサート。

単独コンサートではないが、同じ事務所のアイドルが勢揃いするこのコンサートがテミンの正式な復帰になるらしい。

しかし、テミンは初めてのコンサートを前に緊張のあまりフリーズ状態。
リハーサル中、何を言っても生返事しか返ってこない。

「テミン、もう少し右側に移動して。」

移動の位置が内側すぎるとジョンヒョンが指摘しても、耳に入っていないのかぽかんと立ったままのテミンの手をオニュが慌てた様子で引いた。

「テミン、もっとこっち。この位置覚えといて。」

曲を軽く流しながら、会場のスタッフからもマイクで修正が入る。

「テミンの移動するタイミングが早すぎるから確認お願いします。」

「テミン、次の曲の前に一回暗転するから、そしたら下手側に移動…」

繰り返し呼ばれる自分の名前の出どころを探してきょろきょろと目だけは動かしているが、誰の話も頭に入ってこない。

「あと一回だけ通すから、それで全部覚えて。」

ぐっと手を掴まれてオニュに言われ、テミンは焦点が合わないまま後ろに目を泳がせた。

「テミン!」

リーダーという立場上、仕事に関してだけは甘やかすことはできない。
突然大きな声を出したオニュに、テミンは怯えたように肩を震わせ引きつった顔を向ける。

「何回同じこと言わせるんだよ!?ちゃんと話聞け!」

このままでは本番で失敗しかねないとオニュが声を荒げると、青ざめたテミンがその場にしゃがみこんでしまった。
慌ててキボムが駆け寄りテミンの肩を抱いてオニュを見上げる。

「オニュヒョン、おっきい声出しちゃダメだよ。テミンもいっぱいいっぱいなんだから。」

「…ごめん」

どうすればいいのか分からずオニュが珍しく落ち込んだように肩を落としたのを見て、ジョンヒョンは片手を上げてスタッフに休憩をさせてほしいと合図を送った。


更新日:2013-01-26 01:10:34

夢がさめたら 【君と過ごした最後の夏 続編】