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第2話『鬼械の申し子』
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『決闘場』トップ、クロスを破ったことにより遊真は、収容所で一躍有名人となった。
更正のための作業中や、食事中では視線を感じ、時には話し掛けて来る者さえいた。
自由時間にはデュエルを挑まれる事も多々あり、遊真にとって疲れる日々が続いた。
一週間経った今も、それは衰える事はない。
(疲れた顔をしているな)
夜、就寝時間となり、静まり返る牢の中で、遊真に声が掛かった。
ほかの者には決して聞こえる事のない、遊真の頭に直接響いてくる声。
(……他人と関わるのは御免だ……)
遊真は口は開かず、頭の中で返した。
声の主は苦笑しながら、言葉を返してくる。
(私には、楽しそうに見えるのだがな)
(……馬鹿を言うな……ギース)
遊真は声の主、【ギガンテック・ファイター】に怪訝な顔をした。
遊真はデュエルモンスターズに宿る精霊と、会話を交わす事ができる。
世の中には精霊の姿が見える者もいるが、彼の力はとても微弱なもので、声を聞くのがやっとと言った具合である。
ギースというのは遊真が【ギガンテック・ファイター】に付けた愛称である。
人前では決して口には出さないが、こうして頭の中で話す際には遊真はギースと呼んでいる。
(……俺が人嫌いなのは知っているだろう)
(私には、お前が人との繋がりを求めているように思えるのだがな)
ギースは心なしか、悲しそうな声でそう言った。
遊真は一言馬鹿らしいと吐き捨て、ベッドに顔を埋めた。
(……私は心配なのだ……我が主よ)
(……大きなお世話だ)
遊真は言うとギースとの会話を遮断し、眠りに入る。
夢の世界に入る直前に遊真が聞いたのは、ギースのため息だった。
『決闘場』トップ、クロスを破ったことにより遊真は、収容所で一躍有名人となった。
更正のための作業中や、食事中では視線を感じ、時には話し掛けて来る者さえいた。
自由時間にはデュエルを挑まれる事も多々あり、遊真にとって疲れる日々が続いた。
一週間経った今も、それは衰える事はない。
(疲れた顔をしているな)
夜、就寝時間となり、静まり返る牢の中で、遊真に声が掛かった。
ほかの者には決して聞こえる事のない、遊真の頭に直接響いてくる声。
(……他人と関わるのは御免だ……)
遊真は口は開かず、頭の中で返した。
声の主は苦笑しながら、言葉を返してくる。
(私には、楽しそうに見えるのだがな)
(……馬鹿を言うな……ギース)
遊真は声の主、【ギガンテック・ファイター】に怪訝な顔をした。
遊真はデュエルモンスターズに宿る精霊と、会話を交わす事ができる。
世の中には精霊の姿が見える者もいるが、彼の力はとても微弱なもので、声を聞くのがやっとと言った具合である。
ギースというのは遊真が【ギガンテック・ファイター】に付けた愛称である。
人前では決して口には出さないが、こうして頭の中で話す際には遊真はギースと呼んでいる。
(……俺が人嫌いなのは知っているだろう)
(私には、お前が人との繋がりを求めているように思えるのだがな)
ギースは心なしか、悲しそうな声でそう言った。
遊真は一言馬鹿らしいと吐き捨て、ベッドに顔を埋めた。
(……私は心配なのだ……我が主よ)
(……大きなお世話だ)
遊真は言うとギースとの会話を遮断し、眠りに入る。
夢の世界に入る直前に遊真が聞いたのは、ギースのため息だった。
更新日:2013-01-14 23:12:55