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東白④
翌日から、ボクの携帯には、先生からのメールが、ちょくちょく入ってくるようになった。
『絵文字をマスターしたんです』
とか。
『今日の雲はすごいです。』
とかいう、写真付きのメールも送られてきた。
写真付きのメールは、ほとんどが空の写真で、どれもこれも、素敵な写真だった。
それから数日後。
ボクは、約束の食材処理の話を実行するため、翌々日の日勤の日に先生を誘おうと、メールを送ろうと思って、ハタと手が止まった。
その日は、クリスマスイブだったからだ。
一人のクリスマスイブなんて、寂しいなぁ。先生は、さすがにヒマじゃないだろうか?…とりあえず、誘うだけ誘って見ても、いいだろうか?
ボクは、先生にメールを入れた。
『先生。明後日、クリスマスイブですが、ボクは17:00にあがります。もし先生に時間があったら、ご飯を食べに来てくださいませんか?』
すぐにボクの携帯が鳴った。先生からの返信だった。
『行きます。』
「うわぁ…。」
たったそれだけの、短い文章だったけれど…。その後すぐにまた、先生からメールが入った。
『何時に行けばいいですか?私はその日、午前中で研究所を出る予定です。』
「わぁ…。」
ボクは、すぐに返信した。
『時間がわかったら、またメールします。一人寂しくクリスマスイブを過ごさずに済んで良かった。』
またすぐに返信が来るかと思っていたのに、先生の返事がきたのは、1時間も過ぎてからのことだった。
『そんな日に、私を思い出してくれたことが喜ばしく思います。クリスマスイブは、キミたちくらいの子にとっては、特別な日なのでしょう?私のようなものを誘っていいんですか?本気にして、出向いてしまいますけどね。 市井』
「ぷっ…。」
先生って、面白い人だなぁ。
『本気ですから、来てください。クリスマスこそ、一人用の食材なんて、売っていないですから。』
そのメールには、すぐに返事が来た。
『ケーキは買って行きますよ。』
「うわぁ。」
『ありがとうございます。ではまた、メールします。』
ボクは、それから翌々日まで、仕事中もずっと、クリスマスに何を作ろうか、そのことばかりを考えていた。
クリスマスイヴは、駅長が気を利かせてくれて、16:00に上がってもいいよと言ってくれた。だったら、翌日8:00に出勤しますから…と言って、駅舎を出た。
ゆみさんが働くスーパーに寄って、考えていたメニューの食材を買った。先生は、お酒に弱いということだったけれど、今夜くらい、少しならいいだろうかと、シャンパンを1本、カゴに入れた。
「あら!シロちゃん!彼女でも来るの?!」
レジにいたゆみさんが、レジ打ちをしながら、ニヤリと笑った。
「え…いいえ、えっと…」
先生を、友人と称していいものだろか?と、悩んで口ごもっていると
「離しちゃダメよ!ホント、駅員なんて、出会いがあるようでないんだから。」
と、ゆみさんに言われた。
「あ、これ。おまけね。」
ゆみさんが、ケーキ皿を2枚、カゴに入れてくれた。
「あ。ありがとうございます。」
「お店から、クリスマスプレゼントだって。ホントは一人一枚なんだけど、もう一枚は私からね。」
そう言って、ウインクされた。
「あ…。ありがとうございます。」
本当にゆみさんは、『いいお母さん』という感じだ。
急いで家に帰って、先生にメールを入れた。
『今から料理を作ります。18:00過ぎ頃に来てください』
そう送ると、先生からすぐに返信が送られてきた。
『私もお手伝いさせていただきたい。支度が出来次第、そちらに向かっていいだろうか?』
「え…。」
それは、嬉しい申し入れではあるけれど…。先生、お料理出来ないんじゃあ…?でも、先生のその厚意は、とても嬉しい。ありがたく、頂戴することにした。
『ありがとうございます。待っています。』
『すぐ、行きます。』
そう、先生からメールが送られてきたものの、先生が来たのは、それから1時間近く後だった。
『絵文字をマスターしたんです』
とか。
『今日の雲はすごいです。』
とかいう、写真付きのメールも送られてきた。
写真付きのメールは、ほとんどが空の写真で、どれもこれも、素敵な写真だった。
それから数日後。
ボクは、約束の食材処理の話を実行するため、翌々日の日勤の日に先生を誘おうと、メールを送ろうと思って、ハタと手が止まった。
その日は、クリスマスイブだったからだ。
一人のクリスマスイブなんて、寂しいなぁ。先生は、さすがにヒマじゃないだろうか?…とりあえず、誘うだけ誘って見ても、いいだろうか?
ボクは、先生にメールを入れた。
『先生。明後日、クリスマスイブですが、ボクは17:00にあがります。もし先生に時間があったら、ご飯を食べに来てくださいませんか?』
すぐにボクの携帯が鳴った。先生からの返信だった。
『行きます。』
「うわぁ…。」
たったそれだけの、短い文章だったけれど…。その後すぐにまた、先生からメールが入った。
『何時に行けばいいですか?私はその日、午前中で研究所を出る予定です。』
「わぁ…。」
ボクは、すぐに返信した。
『時間がわかったら、またメールします。一人寂しくクリスマスイブを過ごさずに済んで良かった。』
またすぐに返信が来るかと思っていたのに、先生の返事がきたのは、1時間も過ぎてからのことだった。
『そんな日に、私を思い出してくれたことが喜ばしく思います。クリスマスイブは、キミたちくらいの子にとっては、特別な日なのでしょう?私のようなものを誘っていいんですか?本気にして、出向いてしまいますけどね。 市井』
「ぷっ…。」
先生って、面白い人だなぁ。
『本気ですから、来てください。クリスマスこそ、一人用の食材なんて、売っていないですから。』
そのメールには、すぐに返事が来た。
『ケーキは買って行きますよ。』
「うわぁ。」
『ありがとうございます。ではまた、メールします。』
ボクは、それから翌々日まで、仕事中もずっと、クリスマスに何を作ろうか、そのことばかりを考えていた。
クリスマスイヴは、駅長が気を利かせてくれて、16:00に上がってもいいよと言ってくれた。だったら、翌日8:00に出勤しますから…と言って、駅舎を出た。
ゆみさんが働くスーパーに寄って、考えていたメニューの食材を買った。先生は、お酒に弱いということだったけれど、今夜くらい、少しならいいだろうかと、シャンパンを1本、カゴに入れた。
「あら!シロちゃん!彼女でも来るの?!」
レジにいたゆみさんが、レジ打ちをしながら、ニヤリと笑った。
「え…いいえ、えっと…」
先生を、友人と称していいものだろか?と、悩んで口ごもっていると
「離しちゃダメよ!ホント、駅員なんて、出会いがあるようでないんだから。」
と、ゆみさんに言われた。
「あ、これ。おまけね。」
ゆみさんが、ケーキ皿を2枚、カゴに入れてくれた。
「あ。ありがとうございます。」
「お店から、クリスマスプレゼントだって。ホントは一人一枚なんだけど、もう一枚は私からね。」
そう言って、ウインクされた。
「あ…。ありがとうございます。」
本当にゆみさんは、『いいお母さん』という感じだ。
急いで家に帰って、先生にメールを入れた。
『今から料理を作ります。18:00過ぎ頃に来てください』
そう送ると、先生からすぐに返信が送られてきた。
『私もお手伝いさせていただきたい。支度が出来次第、そちらに向かっていいだろうか?』
「え…。」
それは、嬉しい申し入れではあるけれど…。先生、お料理出来ないんじゃあ…?でも、先生のその厚意は、とても嬉しい。ありがたく、頂戴することにした。
『ありがとうございます。待っています。』
『すぐ、行きます。』
そう、先生からメールが送られてきたものの、先生が来たのは、それから1時間近く後だった。
更新日:2012-12-27 23:50:28