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砂漠の行進
静脈と動脈の絡む積乱雲。
骨と産業廃棄物よりなる灰色の砂漠。
巨大なムカデを連想させる流民の群。
その頭と尻尾は砂塵に霞む。
ありとあらゆる人種の肌が重なり、
ありとあらゆる民族の顔が交わる。
痛みを伴い、歩みは重く、
目は虚ろ、悲しみは深い。
「だめ。そっちへ行っちゃ、だめ」
かすかに少女の声がする。
しかし、その声は
蜃気楼のように遠く近く
誰の耳にも届きはしない。
はがれ落ちた無数の鼓膜が焼けている。
更新日:2013-09-02 09:39:36
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