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30ばんどうろ

マリル(おやぶん) side




・・・・・。


ここらは、ヨシノとキキョウの中間ぐれぇだな。
周りは木々におおわれ、暑い太陽の日差しを遮るように、日陰が広々と横たわっている。

歩道から離れた森の中。

俺の傍らでは、疲弊したワニノコがぜーぜーいいながら汗だくになって倒れてる。

・・・・・・・さて。

.

「どこ行きやがったアイツーーー!!!」

.

あんのバカ女が!
あの方向音痴に先行させて走らせるんじゃなかったぜ!

ちょっと目を離した隙に姿を眩ませやがって!

「・・・ぜぇ・・・あれ、ウチのリーダーさんは・・?」

ワニノコが息を乱しながら聞いてくる。

「・・・迷子だ。」

「(ま、迷子って・・・・。)」

「マツリは天性の方向音痴だ。超のつく、な。・・・アイツは一度はぐれだすと、当分見つけられねぇし、帰ってもこねぇ。」

「・・・ど、どうなるんですか?」

「決まってんだろ。」

.


『ポケモン金銀クリスタル【水縛りの冒険】』  完

.




「じゃあ、ワカバへ帰るぞ〜。」

「えええええ!?」

「・・・冗談に決まってんだろ。・・・お前、『ええええ』とか言ってる割には嬉しそうだな?」

「へ?ソンナコトナイデスヨ。」

.





5分が経った。涼しい風が木々の隙間を通り、葉を揺らしながら俺達の身体を冷ませる。

「あの〜、おやぶんさん、探しに行かないんですか?」

ワニノコが聞いてきた。

「静かにしてろ。こういう時はむやみに動くもんじゃねえ。入れ違いが一番怖ぇからな。・・・俺にまかせとけ。」

俺は自前の耳をピクピクと動かしながら、辺りの音をすまして聞いている。

「・・・・・・・・・・・・・・・見つけたぜ。・・・あのヘラヘラした笑い声は・・・・・マツリのバカだな。行くぞ。」

「は、はい。(・・・?・・僕には全然聞こえないな?)」

戸惑うワニノコを引き連れ、俺達はバカのいる元へと向かった。




更新日:2012-11-13 12:18:39

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ポケットモンスター金銀クリスタル 【水縛りの冒険】/ポケモン