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魔王は憂鬱

世間一般的に魔王と呼ばれているのは、正式に言えば、魔族族長兼周辺諸国代表総代長兼賢人会議議長の事を指すのが、この世界での常識だ。
そして、その魔王になれるのは、魔族の中でも、黒い角と膨大な魔力を持った者だけである。
そして、第13代魔族族長兼周辺諸国代表総代長兼賢人会議議長になったのがンニャ・シュタレンベルゲ・シュタラーファ・ザン・ダ・リラナイマン・フタアカラン・マーガンナだ。
年齢は105歳で、人間に言えば、13、4歳の少女である。
エルフなのだが、肌は浅黒く、エルフには絶対に生えない、黒々とした山羊の様な角がこめかみから生えており、幼少より彼女が魔王としての英才教育を受けて来たのは言うまでもない。
そして、膨大な知識と膨大な魔力を持つ彼女には最早、敵は無く、そして、ただただ、安穏と過ごす日常に辟易していた。
現在、魔族と呼ばれる、所謂、人間とは違う、存在の集団は人間達と戦争をしている。
しかし、どちらも、決着をつける気はなく、延々と同じ小競り合いの繰り返しばかりなのだ。
それは、先代魔王から同じで、戦争をしていると一部の有力者が儲かるので、戦争は終わらない。
ンニャ自身、それは理解している。
だが、それを止めろとは表立って言えない、いや、言えない場所まで入り込んでしまっている。
この戦争を終結するには、勝つか負けるしかない状況まで来ているのだ。

「はぁ…」

ンニャはもう、何度目になるのか重たい溜息を吐き、かれこれ、50年ほど替えた事のない、仏頂面を目の前に傅く家臣に向ける。

「それで、今度は何の用ぞ?」
「はっ…婚約者のウォッシュ様が…」
「今は会いとうない。
引き取って貰え」
「で、ですが、これで既に10日目ですぞ、陛下!」

爺や、と呼ばれるに相応しい、宰相がいい加減にしろという顔でンニャを見る。
ンニャは宰相が口を開く前に、手のひらを向け、口を開く。

「わかったわかった。
汝の言葉は聞き飽きた。
連れて参れ」

ンニャは辟易した様に告げる。
宰相はホッとした顔で脇に居た近衛兵に連れてくるよう告げた。
近衛兵はぺこりと頭を下げ、去っていくと、直ぐに魔族、魔族内でも様々な種類に分かれており、エルフ族、獣人族、竜人族、鳥人族等様々な種類がいるが、中でも、魔族と呼ばれる種類の人種はまさに、魔物、と良く、非常に大きく、この世に存在する、知的な高等生物の中で、人間と対話出来る中で一番強いだろう。

更新日:2012-12-06 12:12:08

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