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第8話「アイツの家」

〔ピンポーン♪〕

結局きてしまったあたしは、若干だけど
インターホンを押す指に恨みがこもってた気がする。

「どなたかな?」

機械ごしの声が聞こえて、少しだけ緊張。

『あ・・・っと、同じクラスの西野です!』
「あぁ!」

そう一言残して、ガチャッという音が聞こえた。

・・・あれ?きられた?

『・・・えっと・・・どうすればいいのかな・・・』

このまま帰れるわけもなく、立ち尽くしていた。

すると
中から聞こえる、本田たちの声。

「涼ー!彼女がきてるぞー!」

・・・は。
彼女てナニヨ、カノジョ・・・テ・・・

「彼女じゃねーっつってんだろーがクソ親父!」

混乱するあたしの頭に届いてきたのは、
あのむかつく声。

『・・・こっちから願い下げじゃぁボケぇ!!!』

怒りを我慢できずに叫んだ。




ドアが開けられたとも知らずに。




「・・・」

硬直したようにかたまる、お父さんらしき人。

『あっ・・・』
「・・・お取り込み中・・・だったかな?」
『あぁぁぁいやいや!全然!むしろ暇すぎてどうしようか考えて・・・あ、だから叫んだとかじゃなくてですね・・・えっとその』


この状況を一言で表すなら

最悪、てとこかもしれない。


「・・・ははっ(笑)!」

頭上から降る笑い声。
顔をあげると、窓から顔を出す本田。

『本田?!』
「なんか奇声が聞こえると思ったら
 やっぱお前だったか」

欠席のくせに、生意気な口調。

『病人は寝てれば?』
「お前に指図される筋合いねーよ」
『じゃあ誰だったらいいのかな?』
「は?寝言は寝て言えバーカ」
『あんたが寝てなさいよ病弱男』
「うっせ」

・・・なんっでプリント届けてあげに来たあたしが
ここまで言われなきゃいけないの。

『いーからとっとと引っ込めバカ!!』

小学生かアイツ・・・。
ん?あたしもか。

「西野さん」
『え?』

一瞬、びっくりした。
本田と似た声で、西野さんって言われたから。

「とりあえず上がっていきな?ここ寒いし」
『あ・・・いや・・・』

プリント渡して
すぐ帰るつもりだったし。

「プリントのお礼に、ケーキもちょうどあるし」

優しく微笑むお父さん。

なんとなく、断るのが申し訳なく思えてきた。

『じゃあ・・・お言葉に甘えて』

更新日:2012-12-05 17:32:16