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歳の差婚

私は、23歳のときに53歳の男性と結婚しました。

夫となったのは、総合病院に勤務する医師。

そして私はその病院に入院していた患者でした。

患者が主治医と結婚したりするのは今はそう珍しくありませんが、当時は医師が患者に手を出すことは、御法度でした。

しかも30歳という年齢差は、芸能人でも珍しかった時代です。

誰が見ても常識ハズレのとんでもない事でした。

夫は医学博士であり、産婦人科部長を務めながら大学医学部でも講座を持つほどの立場にありながら

私との結婚を世間に表明したがために

非難囂々、まるで犯罪人の扱いに。

私もたくさんの人に諭され、叱咤され、たしなめられ、時には脅され

それはそれは心配していただいたのですが・・・


結婚してしまいました。(^m^)~♪


夫も私もたくさんの人が離れていき、多くのものを失いました。

それまでの人生では有り得なかったほど、悲しいことや辛いことがたくさん起きました。

「高島のオンナは私よ!」と私の家に押しかけてきた女性もいましたし・・・。

まるでドラマですね~。

そんなでしたから、家族には本当に迷惑をかけました。


昭和の歳の差婚は、ちょっとしたイバラの道でもありました。

どこへ行っても、何をしていても、私たちは好奇の目に晒され、偏見の元、まともでない夫婦のレッテルを貼られていました。


良く、「うんと年上の旦那様だから、優しくてケンカにならないでしょう?」
と聞かれましたが、

夫も私も初婚でしたから

新婚時代はケンカの連続でした。


こんな結婚は上手く行くはずがないだろう・・・

皆そう心配していたと思います。


ところが本人たちは

一つずつ「儀式」を終わらせながら「夫婦」となっていったと思います。


こんな夫婦でしたが、17年間連れ添いました。

最後は夫の病気が、私たちを分かつことになりました。


17年の間に、私たちには3人の子供が授かり

クリニックを作ったり、家を建てたり・・・

夫は私たちの歴史として色々なものを遺していきました。


「大変な結婚生活ね?」と良く言われましたが、

この結婚しか知らなかったので大変かどうか解りませんでした。


何故歳の差婚に踏み切ったのかと聞かれても、

特に年齢差を感じたことは無かったし

この人の子供が産みたいな~と思えたのが夫しか居なかったというのが本音かも。

「僕は今まで10000人以上の赤ちゃんを取りあげてきたけど、自分の子供は一度も無いんだよ。このまま人生を終わらせたくない。」

病院では立派に見えたお医者様がそう言って肩を振るわせるのを見たから、

プロポーズが断れなかったというのもあります。

考え深い人なら有り得ない話しですよね。

でも、結婚とはこういう勢いに助けられる部分もたくさんあると思いませんか。


この結婚で学んだことの多さを思うと、私は結婚は直感で決めるべきだと思うのです。

更新日:2012-10-29 21:22:44

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