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story 6 脱出

その次の日
春人はいつも通り迎えにきてくれたし
気にしてないだろうと思った。

「ねぇあずさ。」

「ん?あ、おはよう。」

「聞きたいことがあるんだけどさ」

「え、なによ。
 唯があたしに質問なんて珍しいじゃん。」

あくびをしながらそう答えるあずさ。

「あずさは好きな人いるの?」

「は?いないよ。」

「でも今まではいるでしょ?」

「そりゃあいるよ。いないわけないじゃん。」

いないわけない

そんな風に言われて少し複雑になった。

「あたし、人を好きになったことないの。」

誰にも言えなかったこと。
昨日は一日中考えたけど、あずさなら言えると思って。

「唯、恋したことないの?」

優しく問いかけられてほっとした。

「うん。」

「でも今まで彼氏いたじゃん。」

「いたけど、好きにはなれなかった。」

告白されて付き合っても
想いが通じ合うことはなかった。
すごく申し訳ないことをしてきたと思ってる。
繰り返しても、好きという感情は分からなかった。

「・・・あたしのことは?」

「え?」

「あたしのことは好きじゃないの?」

「好きだよ!めっちゃ好きだし!」

あずさはあたしの唯一の親友なんだから。

「じゃあそんな感じじゃないの?」

「・・・?」

「あたしのことを好きって思ってくれてるんなら
 唯はそういう気持ち、もう分かってるよ。」

更新日:2012-10-19 19:01:05