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第一章 転属そして事件

新暦75年3月10日 ミッドチルダ湾岸区画
ミッドチルダ南駐屯地内A73区画 機動六課隊舎付近
古代遺物管理部機動六課所属 アルベルト・ディートリッヒ二等空尉


 
 どうしてこうなったんだ、と無性に誰かを問い詰めたくなる。あの後すぐに荷物を纏めて挨拶を済ませ、新しい隊舎への移動準備を整えた。こんなにドタバタしたのはいつ以来だろうか…と思考に耽っているとまだ冷たい海風が顔を撫でていく。
 
聞いた話だと隊長殿は19歳らしい。別に年下の上司に不満がある訳ではないが、ここまで若いと不安も勿論ある。前の巣は私やカールが若手であったぐらい平均年齢が高かったのもあるのか、年下への対応に慣れないのも不安の種だろう。今更不満を抱えたところで何ともなる訳が無いのは知っているが、部隊の平均年齢が低くない事を祈っておこう。







 
 そんな私の小さな願いすら、女神様は聞く耳を持ってくれないらしい。隊長殿達との顔合わせが終わり近所のカフェでくつろぐ私は心の中で頭を抱えていた。
 小娘が、と思っていた隊長殿が「闇の書事件」の関係者である八神はやて二等陸佐だったのだ。しかも隊長殿の隣にいたのは「PT事件」や「闇の書事件」の関係者の二人であった。
 まさかエースオブエースと呼ばれる高町一等空尉やテスタロッサ・ハラオウン執務官と顔を合わせる事となるなんて予想していなかった私は、一瞬思考を止めてしまった。それほどまでに有名人なのだ、彼女等は。

 しかし3人とも19歳と聞くから部隊の平均年齢については諦めた方が良さそうだろう。まさか15歳や16歳の子供を配置しはしないだろうし、彼女等が最年少グループだろう。話の合う同世代がいてくれると助かるのだが、と不満と不安をコーヒーで飲みこみ店を後にした。

更新日:2012-09-26 00:59:12

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