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White Day


―おはよう。そっちは、良い天気?―

―いつもと変わらん―

―そう…―

―今日は、一日寮にいるのか?―

―…? うん、そうだよ―

―荷物を送った。預かっておいてくれ―

―…また本? わかったよ―

夕方、彼の言葉通り荷物が届いた。
軽くて小さな箱。
とても本とは思えない。

―…宛名、俺になってる…―

逸る心で包みを開ける。
中には、細い銀の鎖と、細い銀の指輪。
たぶん、指に嵌めると目立つだろうから。
彼の、不器用で我侭な祈りが透けて見える。

―馬鹿だなぁ…―

そっと、指に嵌める。
零れる涙は、銀が吸い取ってくれる。
彼の、優しい温もりのように。


【Fin.】

【†偲†】シリーズの二人です
今回はホワイトデーバージョンです

本編ではあんなにシリアスですが…(苦笑)
いつ続き書きましょうかねぇ…


2007/05/06

更新日:2009-01-29 17:16:04

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