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「いや、まあ・・・・。ところで、一体なんでこいつらは襲撃を?」
さきほどの身なりからしてそこらへんの強盗とは訳が違う。それにあの魔方陣、今来た奴らが発動させたものとは到底思えない。恐らくは裏で誰かが発動させたのだろう、魔法に関してかなり精通している人が。どちらにしろ、この襲撃には何か訳がありそう。
「それは・・・・・私と関係あるかもしれません」
そう聞くとなぜか雪乃子姫は言い辛そうにそう答えた。
「雪乃、いいのですか?」
それにびっくりしたようにらっこっこは聞き返した。どうしたって言うんだろうか?
「ここまでご迷惑をお掛けしたのです。それ相応の代価になりえましょう」
「分かりました」
雪乃子姫がらっこっこへそう言うと納得したようにらっこっこは下がった。
「昔、とある王がこの国を支配していました。その王は善政を行い、民に慕われておりました。ですが、ある日反王と名乗るケンラウヘルの起こした反乱により、国を追われました。その後というものは、法は廃れ、争いが絶え間なくなりました。無論、そうなる事を王は望まれません。が、その時の王には奪い返す戦力はありませんでした。ならばと王は自分の子にその希望を託しました。そして、その子が私なのです」
「ほえ~・・・女将さんってお姫様だったんだ~」
美欧は雪乃子姫を見つめてびっくりしたような声を出した。
「なるほど・・・・・今の奴らは反王側の者って事か」
「ええ、恐らくはそうでしょう。ごめんなさいね、関係のない美欧ちゃん達まで巻き込んじゃって」
「ううん、これくらいなら大丈夫だよ。ね、天都」
「ああ、美欧の言ってとおりこれくらいならば何ともありませんので」
こくりと頷いてそう返した。こういう類の事にはもう慣れてしまっている。
「後・・・それと今の話は他にはあまり・・・・」
「うん、分かった」
「ところで、女将さん。アレはどうします?」
グレープが指差した先には先ほどの戦闘で無茶苦茶になったロビーがあった。
「あ・・・・そういえば忘れてました・・・」
「いいですよ。僕が直しますから」
そう言って天都が指をぱちんと鳴らすとぽおっと発光ながら瞬く間に元へと戻った。
「わ~、天都すご~い」
「すいません。何か何まで」
「いえいえ、では僕達はこれで」
「おやすみなさい~」
お礼を言ってくるらっこっこに答えて、美欧を連れて自分達の部屋へと戻っていった。

「すいません、そちらの方にまでお迷惑をかけてして」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
謝ってくる雪乃子姫にエランは手を横に振った。
「ところで、あの二人は一体何者なんですか」
「俺も気になってました。詠唱なしで修復だなんてよほどの力量じゃないと出来ない事だし」
Waivの他にもエランらもコクリと頷いて同意した。
「えと、私もよく分からないのですけど。天都さんは神で、美欧ちゃんは猫姫という猫の種族らしいのです」
ちらりと天都らが去った先を見ながらそれに答えた。
「なるほど、さすがは神という事でしょうか。にしても、ここまで来られてしまうとは・・・」
そう言ってエランは表情を硬くさせた。
「ええ、相手側にばれている可能性はありますね。でも、今ので当分は襲ってこないでしょう」
「ですね。あの数を殲滅されたのです、向こう側も無駄な襲撃はやめるはずです」
雪乃子姫に続くようにらっこっこはそう言った。
「そう言えばWaivさんって、アデンの・・・」
「はい、前のアデン城戦に参加してました。その時もダークブラックナイトはおりました。それだけなら勝ち目はありましたし、実際に優勢だったんですが、どこからかの尋常じゃない暴風によって逆転されてしまいました」
エランにこくりと頷いてWaivはそう答えた。
「暴風って『トルネード』じゃないの?」
「いや、『トルネード』にしては威力が桁外れに大きかったし、それにどこまで範囲がなのか分からなかった程広い物だったから。俺ではそれが一体なんなのだが検討が付かない」
変に思ったグレープが質問をすると表情を険しくしながらWaivはそう返した。
「そうでしたか・・・」
そのWaivの報告に一同は黙ってしまった。
「あ、雪乃。明日は早かったんじゃ」
「あ、そうでした。今日のところはこれで解散しましょうか」
らっこっこに言われてはっとしたような顔で皆へ言うと各自の店へと戻っていた。

更新日:2012-09-16 21:57:06

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