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十五の春と分岐のフラグ


「ピンポーン」

玄関の呼び出しベルが鳴った。
俺は、自作の誕生日ケーキのデコレーションを止め玄関へと向かう。

忙しそうに玄関の扉を開くと、宅配会社の制服を着た、体格がゴツイ人がいた。

「宅配便でーす、御桜ひむら様への荷物をお届けに参りました。」

俺は、渡されたボールペンでサインをしつつ、差出人の名前を見る。

「お母さんか」

宅配のお兄さんが出てった後に呟いた。
こんなことするのは俺達兄妹を心配に思っているお母さんくらいなものだ。

そして、よく見なくても、横文字で家の住所以外すべて英語だ。

愛する子の誕生日なら、空輸と言う手段も惜しまないのだろうか。
もちろん、空輸とトラックだったら、断然トラックの方が安い。
それくらい心配なら、たまには日本に帰って来て欲しい。
ここ二年間、手紙と荷物だけで家に姿を現した事は無い。


荷物をリビングに置いて、キッチンへ向かうと、
階段から妹がとてとてと降りてきた。

「お兄ちゃんご飯できた?」
「ああ、もうすぐだ。後五分くらいで藍菜の好きなハンバーグができるぞ」

そうだ、5分でハンバーグは焼き上がるだろう。
我が家のハンバーグは、仕上げにオーブンで火を通す。
妹の好物だから、ここまでこだわる事が出来るのだ。



「相変わらず兄ちゃんはすごいよね・・・色んな意味で。」
我が妹は呆れた顔もよく似合う。可愛らしい。


「マジ!?褒めてくれたの?」
「違う意味で。」

その言葉を意味深いように力強く言った後、デコレーション中のケーキを見て、妹はため息を着いた。
それはもう、「呆れた」の三文字を表している。
表情が感情に反映するのは、幸せな人間の特徴だ。





「あと私、桃缶買ってきた覚えないんだけど。」
流しに放り込まれたその空き缶を見て俺に聞いた。

「自費だよ、自費。」

「自費って!?我が家の財政状況アンタ知ってるの?」

「だから自費だって。小遣いだよ。俺が家計簿付けてんだからよ。あと、俺は妹が美味しそうにケーキを頬張る姿を見るのに、何も惜しむ気は無い。」

そうだ、それでいいんだ。
俺は妹が大好きだから、俺が払うに惜しむ物もな「この賢者シスコンが!!」

ケーキを崩さないように気を配ってくれたのか、妹は襟元をつかんで俺を蹴っ飛ばす。急所にクリーンヒット。
男の弱点を知ってるとは、我が妹も大人になってきたもんだ。

そしてなるほど、気に入ってくれたのか。デレだな、デレ。



「大体、今日はお兄ちゃんの誕生日でしょ。」
「だから、気合い入れんだよ。」

ここでそろそろ、自己紹介という名のキャラ説明をする。

更新日:2012-12-27 15:30:06

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