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 トン!と出されるコーヒーは、この店のオリジナルブレンド。
一夜子の傑作ブレンドとは香りも味も違う。
当麻の肩が落ちれば、黒木は気だるく言う。


「その人の為だけにブレンドするって、特別なんだよね」

「…」

「小宮サンは、町田センパイの特別だったンだよね」

「…」

「好きぢゃなきゃ出来ないンだよね」

「…」

「そぉゆぅの、もぉちょっと早く気づいてくれてたら、
何か もぉちょっと変わってたのかもって、黒木としては残念な結果」

「…」


(あぁ、そうだな。そりゃそうだ。
俺は結局、一夜子の事を、何も知ろうとしなかった)


 だからこそ結果的に、一夜子の消息に心当たりの1つも浮かばない。















To be continue.
writer:Kimi Sakato

更新日:2012-11-08 22:17:09

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