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九の悪魔陣

後片付けをし(紫を呼んで血と死体の掃除をしてもらった。)、健二が翔太に連行される所を見た後栄の部屋に来た。
夏希は何処かで健二が自分のせいで捕まったと慰めている。

「…で?まず何から聞きたい?」

「お前さんの正体と目的。」

直球だな…。

「俺はこの世界の人間じゃない。でもここの暮らしとあまり変わらないがな。」

「ほう。」

「俺の目的はコイツだ。」

ダンテはケータイを出し、陣内侘助の資料を画面に出して栄に見せる。

「…!こいつは本当かい?」

「ああ。凄腕の情報屋の資料だ。間違いねぇ。」

「…そうか。今この家にいる。」

「いや、まだ捕まえねぇ。」

「何でだい?」

「一撃で仕留めたいからさ。」

ダンテは立ち上がり出て行こうとする。

「待ちな。」

「…なんだ?」

「お前さんの正体をまだ教えてもらってない。」

ダンテはため息をつき、栄の方に振り返る。

「栄はベッドの下に何が潜んでいるかしってるか?」

「なんだい急に。」

「こっちは真剣に質問しているんだ。」

「…さあね。」

栄は横に置いてあるお茶を持って飲む。

「チィッ。面白くねえな。答えは『悪魔』だ。」

「悪魔…だと?」

栄はお茶を飲んでいた手を止める。

「そうだ。最後に戦った化け物いたろ?あいつも悪魔。そして俺も悪魔なのさ。」

「じゃああんたもあんな醜い姿になるのかい?」

「HAHA!面白いこといえるじゃねーか。まあ見方は人によるけどな。」

「そうか。まあ私達を助けてくれてありがとう。」

「別にいいぜ。」

「あんたのために部屋を用意したから万里子に部屋を聞いてくれ。」

「そうか、じゃあこっちからも礼だ。紫、いるんだろ?」

突然ダンテの隣からスキマが現れ中から紫が出てきた。

「何ダンテ?あ、こんにちわ。」

「あ、ああ。こんにちわ。」

さすがに年寄りの心臓には悪いか?

「で?どうしたの?」

「小町を呼んで来てくれ。」

「?わかったわ。」

紫はスキマを閉じる。


二分後…


「連れて来たわよ。」

紫と共に三途の川で彼岸に死者の魂を運ぶ死神『小野塚小町』が現れた。

「ようダンテ!」

「よう小町。元気だったか?」

「それがさぁ、さっき紫の奴が私を訪ねて来た時なんていったと思う?」

「?」

「『私のダンテがお呼びよ!いいから早く来なさい!』って言ったのさ。」

「ちょ、小町?!」

「そしたらさ、偶然映姫様が来てさ紫ったら英姫様に何て言ったと思う?」

「なんだ?何ていったんだ?」

「『幼女!悪いけど小町を貸してもらうわ!貸さなかったらダンテが三途の川を真っ二つにする。』って言ったのよ。閻魔様に喧嘩売るとかどんだけよ?」

「HAHA!紫、流石にあの川は無理だ。」

「ジョークのつもりよ!」

「そしたら英姫様慌てちゃってさ、直ぐに援軍呼んでこようとするのよ。マジ笑っちゃう。ははは!」

「HAHAHA!俺そこまでやってないぞ!」

「だろ?で~なんだっけ?」

「ああそうだ。こいつを診てくれ。」

ダンテは栄を指差す。

「ん?大丈夫なのか?」

「死神だし人の寿命は見れるだろ?」

「私の…寿命だと?」

「そうさ。ばあさんが遺書を書きやすくするためにこいつを連れてきた。」

「あ、そうそう。私がダンテにこの依頼をした八雲紫です。よろしく。」

「ああ、よろしく。」

「で?どうする?」

「…ああいいよ。自分で知っておいた方が心置きなくあの世に行けるからねぇ。」

「本当に胆の据わったばあさんだ。死なすには勿体ないぜ。」

「ダンテ。そろそろいいか?私もあんまり時間が無い。」

「ん、すまんな。」

「ダンテ。出るわよ。」

ダンテと紫は外に出る。

「いいよ。いつでも来な。」

「後悔するなよばあさん。」


一分後…


「終わった。」

小町が障子の戸を閉める。

「どうだった?」

ダンテと紫が小町に耳を向ける。

「明日の早朝5時21分だ。」

「!そうか。」

「気の毒にね。本人には話したの?」

「ああ話した。笑ってたよ。」

「…え?」

紫がキョトンとする。

「さっきも栄が言ったろ?自分で知っておいた方が楽になるって。」

「…そう。なかなかいい茶飲み友達になれる感じだったんだけどね。」

「ババア因子か?」

「違うわよ!じゃあ小町を連れて帰るわ。」

「またなダンテ!」

「ああ。次はもっと面白い話聞かせてくれよな?」

紫と小町はスキマの中に入っていった。

「…さてどうするか。」

更新日:2012-08-27 10:45:30

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