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第九話

問 次の文章について、後の問に答えなさい。
 『□の多い生涯を送ってきました』
(1)□にあてはまる言葉を漢字一文字で答えなさい。
(2)何という文学作品の言葉ですか。
(3)(2)の作品の著者を答えなさい。


姫路瑞希の答え
(1)恥
(2)人間失格
(3)太宰治

教師のコメント
はい、すべて正解です。


伊藤正宗の答え
(1)戦《いくさ》
(2)?
(3)伊達政宗

教師のコメント
君は本当に伊達政宗が好きなんですね。本はなかったようですね。


土屋康太の答え
(1)性

吉井明久の答え
(1)獄

教師のコメント
君たちはもう少しで人間失格ですよ。





 Dクラス戦の翌日、明久が島田にボコされていた。

 姫路は妙に機嫌が良さそうだ。明久は昨日姫路と何かあったらしいがそれが原因なのかな? 

 とりあえず今日は補充試験だ。昨日はギリギリまで消費したからな。


     ☆


「うあー・・・・・・づがれだー」

 明久が机に突っ伏す。

 無事補充試験が終わった。前の点数より過ごし上がったぞ。

「うむ。疲れたのう」

 いつのまにか秀吉もいた。何で今日はポニーテールなんだ? 女顔で悩んでいるくせにますます女みたいだぞ。

「なんか言ったかのう、正宗?」

「いや、なんにも」

「・・・・・・・・(コクコク)」

 ムッツリーニもいた。やっぱりかわいらしいと思っているらしい。

「よし、昼飯でも食いに行くぞ! 今日はラーメンとかつ丼とカレーと炒飯にすっかな?」

 どうやったらそんなに入るのだろうか? 

「あっ、じゃあウチも一緒していい?」

 雄二の言葉に、島田が駆け寄った。

「いいよ。それじゃ僕は、贅沢にソルトウォーターでも」

「いやいや、パンをおごる約束だっただろ」

「そうだったね。じゃあお言葉に甘えて・・・」

「学食ならもっと別のでもいいぞ」

「あっ、あの、皆さん?」

「うん? あ、姫路さん。一緒に学食に行く?」

「いえ、あの、昨日の約束の・・・」

「おお、もしや弁当かの?」

「は、はい。迷惑じゃなかったらどうぞ!」

 これはありがたい。明久におごるとか言いつつ、実は娯楽費のために節約したかったところだからな。

「迷惑なもんか。ねっ、雄二!」

「ああっ、そうだな。ありがたい」

「そうですか? 良かった~」

 ほにゃっと嬉しそうに笑う姫路。料理好きを明久にアピールしたいんだろうな。

「むーっ、瑞希って意外と積極的なのね」

 それに対し、明久を睨んでいる島田がいる。

「まぁまぁ、今度明久に作ってきてやればいいだろ」

「べ、別に誰がこんなやつに!」

 『べ、別に』なんて使うヤツは現実ではなかなかいない。だから荒っぽい感じで不人気だ。しかしその反面、『ツンデレ』とみれば惚れてしまうような奴もいるんだろうな。

 俺はその現実での希少価値から少し気に入っていたりする。


 ・・・・・・・・・・・・話を戻そう。


「どうしたのじゃ正宗。顔を赤らめつつ、すこし後悔した顔をして」

「い、いや。なんでもない。それよりも、弁当もらおうぜ」

「そうじゃの。屋上でも行くのはどうじゃ?」

「そうだな。この教室ではちょっとあれだしな。先行っててくれ。飲み物買ってくるから。」

「珍しいね。雄二が自らパシリに行くなんて」

「ああ、昨日はみんな頑張ってくれたかその礼も兼ねてな」

「あっ、それならウチも行く。1人じゃ持ち切れないでしょ?」

「しょうがない。俺もついてってやるよ」

「悪いな、二人とも。じゃ、他のみんなは先行っててくれ」

「了解。早めにね」

 そして俺、雄二、島田の三人で飲み物を買いに向かった。



『なんか最近雄二と正宗、仲いいよね。前はすごく仲が悪かったのに』

『確かにそうじゃな。昔は犬猿の仲じゃったのに』

『・・・・・・・・・前はゾ○とサ○ジのようだった』

『でも、吉井君と坂本君も同じようなものですよ』

『??????』

『言われてみればそうかもしれんのう』

『・・・・・・・・・的を射ている』

更新日:2012-08-03 16:01:24

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