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第九話 暴食姫の暴力

ダンテは大きな桜の木に向かって歩いて行った。

「サクラの木に変わって、空気は気色悪いな。」

それもそのはず、『死の気』は大きな桜の木に近づく事で一層強まって行く。

『死の気』は要するに死を誘う心という事だ。この死の気を受けた人間は徐々に体力を失われて行き、終いには死んでしまうこともある。しかし、ダンテは半人半魔なので影響を受けない。

「あのでけえ木辺りに悪魔の気配がプンプン出てるぜ。」

ダンテには悪魔の気配が丸分かりだった。あながち、依頼の内容は間違っていないようだ。

「しかし、依頼の場所ってここ…?」

「ちょっとお待ちなさい。」

その時、ポワポワとした声を掛けられた。
ダンテは声がした前方のやや斜め上に目をやると…。

「おいおい。人間はついに一人で空を飛ぶ技術を身に付けたっていうのか?」

そこには変な青い服に扇子を持った女性が地上十メートル位の所で浮遊していた。

「ふふふ。面白いことを言うわね~…え~と?」

「ダンテだ。」

「へ~ダンテね~。まあ私は人間じゃ無いわよ?」

「ああ。どうせ妖夢と同じ幽霊ってオチだろ?」

「いいえ。妖夢は半人半霊。私は『西行寺 幽々子』。完全なる霊体。ちなみにここの管理を1000年間以上しているわ。」

「だからお嬢様見たくそんなにポワポワなわけだ。特に胸が…。」

ダンテはその大きく膨らんだ幽々子の胸をまじまじ見る。

「あらあら、見かけによらず結構変態さんなのね。」

「男は誰だって変態さ。」

「ふふ、そう。ならばその変態さんにはきつ~いお仕置きをしなければならないわね~。それに…。」

幽々子は扇子を広げて言った。

「自分の従者が殺されたのに、黙って見ている訳にはいかないでしょ?」

鋭い目つきでダンテを睨んだ。

「いいね~熱いね~。だがな俺は妖夢は…」

「今回は少しばかし本気で行くわよ~!。」

人の話を聞いていない…。

更新日:2012-07-05 19:04:28

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