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初めての夜の出来事。




時刻は夜8時を回ったところです。





長いお昼寝タイムが終わったまぁかは
目を覚ましました。





「・・・・みゅ?まりゅ・・・?」





起きた場所は知らない部屋。
そして部屋の主も今はいません。





少しの時間は大人しく座っていたまぁか。
時間が経つにつれ不安が大きくなってきました。





「ふぇ・・・まりゅぅ~・・・」





裸足のままベットから床に降りて、
辺りを見回しますが、まぁかは
初めてこの船に乗ったのですから
状況が掴めるはずはありませんでした。





ぎりぎり届くドアノブに手をかけ
ぺたぺたと廊下を歩きます。





まぁかは基本、あまり慎重な性格では
ないため、どこかの迷子が言いそうな





「道は繋がってるんだから歩いていれば着く」





という精神で歩いていました。






時々すれ違うクルー達は、ぺたぺたと
涙目で歩く幼女を見て固まりますが
我に返るまでに、まぁかが見えなくなって
いるという状況が繰り返されるため
誰も話しかけられずにいたのでした・・・。







角を曲がったまぁかは、いきなり顔に
何かが当たり、その衝撃で後ろにこけました。






「あ。まぁか。こんなとこで何してんだ?」






フランスパ・・・じゃない。
サッチである。





ビクっと跳ねる体と、緊張したように
ピンと立つ耳としっぼ。





更には翼をバサっと広げて固まって
しまったまぁかにサッチはさすがに
落ち込みました。





「ふ・・ぇ・・・・。」





「わあああああ;;待て待て待て待てっっ
 泣くなよ??」






今にも泣き出しそうなまぁかに慌てるサッチ。





だけど声をかけるのが
少し遅かったようで・・・・・。





「ふぇえぇん。まりゅーっまりゅぅぅぅぅっ」






小刻みにあわあわして頭の上の踊る
フランスパンに、鋭い視線が向いたのは
このすぐ後のこと・・・。










(ゴゴゴゴゴゴ・・・・・。)




更新日:2012-07-05 21:03:09

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