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真夜中の神様の図書館

「ここ図書館?」

近所の図書館についた佳苗は図書館全体を見渡した。天井は高く、天井の一番上まで本棚が続いている。なんか外国の図書館みたいで、高貴ではあったが不気味だった。朝に来たら新しい紙の匂いが漂う高貴なフインキ漂う図書館だろうが、今は真夜中の十二時ピッタリ。そのせいか、幽霊が現れてもおかしくない恐さだ。

佳苗がこんな図書館にいる理由は学校の宿題だった。気に入った本を読み、それの感想について書くのだ。佳苗はそれについて完全に忘れていたせいで夜になって思い出した。こんな真夜中なら諦めるかもしれないが、佳苗は普段から物忘れが激しく、今度忘れ物をしたら居残りと先生に言われたのだ。家は本は一つもない。漫画なら数え切れないほどあるが、今度の課題は百ページ以上ある小説のみ。まったく面倒な課題をだすものだ。

その時、足音が聞こえ佳苗は思わず図書館の本棚に隠れた。

なぜかと言うと、こっそりこの図書館に忍び込んだからだ。もしかしたら従業員かもしれない。そう思って息を殺していたのに「ばあ!!」と脅かされ佳苗は飛び上がった。

「こんな真夜中にほっつき歩いてるなんて不良だねー」

そこに立っていたのは髪の長い少女。同じクラスのまったく目立たない痩せている地味女子だ。名前は確か田中だったような気がする。

「田中・・・さん?」

「ピンポーン!名前知ってたんだね!」

田中はくしゃっと笑った。相変わらず地味な顔つきだ。でも何かハイテンション。

「こんな真夜中に図書館ってことは、田中さんも課題の本を探しに来たの?」

「違う違う、ここ私の家だからー!」

田中はそういって積み上げられている外国の本の上に座った。佳苗は意味が分からず、首を傾げた。

「家って・・・?ホームレス中学生ってやつ?」

「違うよー!!」

そういって田中は派手に笑い転げた。そして佳苗を上目遣いで見た。

「真実・・・知りたい?」

その顔は相変わらず笑顔だったが、佳苗は少し恐くなって涎を飲んだ。そして無言で首を縦にゆっくり振った。

「私、神様なんだー」

真実、を聞いて佳苗は膝の力が抜けた。真面目なことを言い出すかと思えばただのおふざけじゃないか。

「嘘じゃん」

「ほんと、ほんとー!!その証拠に私、あんたの成績も知ってるんだからねー。この前のは結構悪評価だったよねー。特に数学とか「な、何で知ってるの!?」

「神様は何でも知ってるのだー!」

田中は悪戯っぽく笑った。もしかしたら人の話しを立ち聞きでもして知ったのかもしれない。成績のことは誰にも言ってなかったはずなのに、いつ噂が立ったのか佳苗は全く分からなかった。

「私さ、色んな次元持っててさ、面白いストーリーも何個かあるんだー。聞きたい?」

「あ、うん」

「じゃ、ついて来て」

田中は元気良く、スキップしながら本棚が続く図書館の一番奥に向かった。そこを横に曲がったら、古い本が沢山並んでいた。明りは灯っていたが、チカチカしていて今にでも切れそうだ。そこの奥には、厚いのが見て分かる扉が立っていた。扉にしては少し小さくて百五十センチほど。真ん中には大きな目の模様があった。田中はそこに手を置いた。かなり重そうな扉なのに、あっさり開いた。

頭をぶつけないように頭を下げて入ってみたら、中は沢山の本が床に積み重ねられていた。田中は中心でクルクル踊るように回って佳苗に微笑みかけた。

「ここ、私の記憶。暇な時に読み返してるんだー」

「記憶?これ全部!?」

もし、本当に神様だって言うならかなり生きていることになる。しかし、神様が普通の女子中学生なはずがない。佳苗はそれに気が付いて、疑わしい目を田中に向けた。

「神様なんでしょ?何で中学生なの?」

「面白い話とか探してる。んで、本にして後から読み返しているワケよ」

一つの分厚い本を手に持った。その中心にも大きな目の絵が描いてあった。

「ここ、私が作り上げた次元で起きた話なんだけど、聞いてみる?」
「うん」

私は積み上げられている本の上にそっと座った。田中はずどんとおもいっきり本の上に腰を下ろした。

「あ、これ結構面白い話だよ。読むね」

田中はニッコリ微笑みかけた。そして深呼吸をし、いつもの落ち着いた声で話し始めた。

更新日:2012-06-22 12:26:59

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