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誕生日、これしか出来ない僕だけど。



「「「「「「「「♪~ハッピーバースデートゥーユー×2、ハッピーバースデーディアあきらちゃーん、ハッピーバースデートゥユー。お誕生日、おめでとう!!」」」」」」」」
 わぁ、皆揃って私の誕生日を祝ってくれてる!

パーン!パーン!

「わぁ!ありがとうございます!」

ふー、ふー、ふー、ふー、ふー

 ロウソク多かったわね。2つもケーキを用意してもらって、突き刺さってるケーキは全部で22本。私11歳になったんだけどなぁ。
「さぁ、お召し上がり下さい。今日の為に、わざわざシェフも動員しました。」
「これアイスで出来たホールケーキだ。」
「ひんやりしてておいしいよ!」
 早っ!トモくんとナナちゃん、私より先に食べてるなんてぇ。
 それにしたって、中々これは豪勢な料理ねぇ。初めて見たわ、北京ダックにチーズフォンデュ、貝殻みたいなのが付いてるものは確か、エスカルゴっていうんだっけ?エスカルゴってカタツムリだよね!あっ、でも、美味しいわね。
 あと、女の子が多いことを意識したんでしょうね、なるべく脂ものを控えてくれてるわ。助かる~。

 今日の私の誕生会、参加者は
今日の主役である私、あきら
自宅を貸してくれた麻耶ちゃん
かなちゃん
ナナちゃん
森嶋さん
絵美裡ちゃん
智美ちゃん
赤崎先生
そして男子で唯一参加した、トモくん
 私を入れて9人が参加。規模は小さいけど良い感じのお祝いパーティね。何だか、もっと多くいるような賑やかさも感じられるわ。

「あきらちゃん、楽しいですわね。こうして仲の良いクラスメイトと、お世話になってる先生に集まってもらって、ワイワイ出来るのですから。」
「なんかもう、何もかもに感謝だよ。」
「本当に最高よね、あきらちゃんにとっては。」
「どうして?かなちゃん。」
「あきらちゃんのカレシさんもいるじゃない。」
「も、もぉ!やめてよー!」
「僕は大体慣れたよ、その呼び方。たまにドキッとする時もあるけど。」
「じゃあそろそろ新しいあだ名に変えなきゃね!」
「わ、分かったから、呼びたいように呼んだらいいよ。」
 適応力良いんだからぁ、トモくん。もう「カレシさん」って呼ばれたって、上手い事返せるんだもんねぇ。

「あきらちゃんのお誕生会、今日は色んなイベントがあるから、盛大にあきらちゃんを弄っても構わないわよ!」
「何でかなちゃんが仕切るのよ。」
「何だか、こういう場面になっちゃうと、仕切りたくなっちゃうのよね。」
か、変わった性分、なのかな?私だったら、やりたくないよ。人前に立って何かするのって。
「かなちゃん、司会をするの大好きなんですね。」
「そうね、今度学校でもやろうかしら。」
ますますやる気よね、かなちゃん。何をしでかすやら。

 楽しい食事が済んだところで、私が赤っ恥をかくイベントへ…。
「次は、あきらちゃんの11年分の過去を振り返るコーナー!あきらちゃん、アレ、持って来た?」
「持って来たわよ。はい。本当は、超恥ずかしいんだから。コレを人に見せるのって。」
「恥を忍んで持って来てくれたあきらちゃんに拍手を送りつつ、皆であきらちゃんの記念アルバムを読みましょう!」
 私のアルバムを読むのって、かなちゃんが発案したのよ。知ってるでしょ!誰だって自分の過去露わにされたら恥ずかしいわよ!
「見てみて!これ幼稚園の頃のあきらちゃんよ!」
「わぁ~。お姫様みたいに愛おしいですわ。」
「あっ、この頃のあきらちゃん、先生見たことありますわね。」
 保健室の赤崎先生も今日は来てたのね。赤崎先生…、あっ!私も幼稚園の時、どこかで見たことある!けど、どういう時だったか、思い出せないなぁ。
「あっ、ここにもあきらちゃんいた。」
「この写真の片隅にちょこっと写ってて、恥ずかしがり屋なの今と変わらないね。」
これは、幼稚園卒園する頃ね。上手く笑えなかったのよね、この頃は。あっ、今もそうね。

更新日:2012-05-26 16:45:03

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