- 8 / 10 ページ
遊びの輪
ひとりぼっち
昼休みの校庭のすみっこで
なまいきな男の子たち
かわいい女の子たちがつくる
にぎやかな色の
おもしろそうな形の
遊びの輪を
校舎の壁にもたれて
ポツンと眺めてた。
楽しそうだった。
なにが楽しいのか
よくわからなかったけど
楽しそうだった。
ぼくが近づくと
あの遊びの輪が
はずかしそうに
ほんのすこし切れて
その隙間にするりと
なんの迷いもなく
みんなと同じように
入り込めたら
きっと
きっと素敵だろう。
そう思ってた。
なのに
遊びの輪ときたら
ぼくが近づいたくらいじゃ
なかなか切れなくて
うまく入り込めなくて
ちっとも楽しくなくて
そのうち
午後の始業チャイムが鳴ると
ちょっと悲しくなるくらい
ホッとするのだった。
更新日:2012-04-10 11:50:24