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NO.10 ぼうぼう著 愛 『いんこ愛?』


仲睦まじいカップルいんこのかごの中に、ある日、飼い主が新米の若いメスいんこを入れた。性格の悪い飼い主は、泥沼の三角関係を期待していたのだが、だいたいにおいて、飼われてる側は飼い主の意図した動きをしないものだ。

とはいえ、若いピチピチの女の子にまったく興味を持たないのも、どうよ?と飼い主は思う。一回ぐらいグラッときたっておかしくないと思うのは、飼い主の思考がおかしいからか?いやいや、ちょっと若すぎたのだ、ロリコン趣味がなかっただけに違いない。これがいい娘になればきっと、健全な?三角関係になるに違いない・・・と、飼い主は、いんこな修羅場に妄想をたくましくさせていた。変人飼い主にもほどがある。こんな変人飼い主に飼われた健全いんこがかわいそうだという声がまわりからしてきそうである。
そんな雑音など別世界といわんばかりに、オスいんこは妻いんこに相変わらず愛を捧げている。かといって、同じかごにいれてある若娘に、意地悪をするわけでもない。できるだけ、空気のような存在として、夫婦は彼女を扱った。

「おばちゃんの魅力」に負けたことを認めるには、新入りのメスいんこは若すぎた。しかし、夫婦の有り様を小さい時から見ている、そろそろお年頃の彼女が、脳内王子様で満足するとは思えない。耳年増な彼女の恋愛観を知るのはいつになることだろう?おばちゃんの魅力に負けた愛の行方がまっとうな方向になるとは思えない、と変人飼い主は反省もせずにそんなことを思っていたるする。

更新日:2012-04-26 20:42:54

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