• 2 / 10 ページ

僕と君


僕がどうしようもない缶詰だった頃
君はピッカピカの缶切りだった

僕の汚れたブリキの蓋を開けたから
銀色の君の刃先が汚れてしまったね

その君の刃先の汚れを取ろうとして
拭った僕の手がまた汚れていたっけ


結局のところ 僕は僕を見失い
あれから救いようのない空缶さ

今頃 君はどうしているだろう
僕の腐った中身を食べてしまって
 

更新日:2012-04-03 12:47:12

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook