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あの人の子になりたい!

 
「わしが現役(神様)じゃった頃は、よくそれで世界中の隅々まで
同時に見たもんじゃ」老人は懐かしそうに言った。

ヒロ「このテレビ・・・1個しかないのに、どうして同時に色々と見れるの?」

老人「ふぉっふぉっふぉっ(笑)。わしの場合、それが無数に頭の中にあるからじゃ。
   今は、ほとんど何も見ておらんが・・・」

ヒロ「ふ~ん・・・神様って、すごい頭なんだね!」

老人「ん!? 言葉を誤ったかな。 ・・・【頭】ではなく【心】じゃ。
   無限の広さのな」

ヒロ「・・・うん。なんとなく分かった(笑)」

老人「そうか『なんとなく』分かったか。ふぉっふぉっふぉっ(笑)」


 相変わらず静かなその空間は、上空だけ晴れた不思議な霧と
神の温かさに包まれていた。


ヒロ「ねぇ、おじいちゃん。 どうやって【新しい親】を探すの?」

老人「おっ、そうじゃ。忘れておった」

ヒロ「もう・・・おじいちゃん、すぐ忘れるんだから・・・」

老人「ふぉっふぉっふぉっ(笑)。すまん、すまん。今、映してやるからな・・・」

 すばやく【魔法の指】で画面をかえまくった老人は・・・
「おぉ、いいのが見つかったぞ」と、誇らしげに言った。

ヒロ「どれ!? どこ?」

老人「テレビドラマを見るつもりで見てなさい・・・そのうち、きっと
   ヒロが好きな大人たちが映るぞ」

 ヒロは食い入るように画面に集中した。

更新日:2009-01-24 03:12:47

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