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「淳君、大して飲んでないのに、顔が真っ赤よ」

淳君の1杯目のジョッキには、まだ半分以上の生ビールが残っていた。
目や顔、首や手に至るまで、見える部分はほとんど真っ赤になっていた。

「もうヤバいです」
「じゃあそろそろ帰ろうか」

智子は、とりあえずある物はすべて片付けようとつまみを取り皿に取り分け、ジョッキのビールを飲み干した。

「本当にご馳走になって良いの?」
私は財布の中身を心配した。
「はい!」
男の面子を潰すのも悪いので、遠慮なくご馳走になる事にした。

淳君が会計を済ませる間に、私達はトイレに入った。
外で待っていた淳君に、
「今日は、ご馳走さまでした」
「ご馳走様でした」
と深々と頭を下げた。

「淳君、家はどこ?」
「江戸川区の篠崎です」
淳君は偶然にも私と同じ江戸川区の住人だった。
「あたし一之江!」
「じゃあ僕送ります」
「ホント? ラッキー! じゃあまたネ~」
私は智子に別れを告げ、淳君と二人で歩き出した。

更新日:2012-03-31 13:09:46

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