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殺戮衝動編 CHAPTER.1
はむはーっ!
こんにちはなのだ!
僕、ハム太郎なのだ!
えっ?
今僕らは何をしてるかって?
ふふふ、聞いて驚くななのだ。
今日はクリスマスなのだ。
つまりこれからみんなでパーティーなのだ!
今年のコンセプトはプレゼントを持ち合ってサプライズパーティーだから僕はもう楽しみで待ちきれないのだ!
「ハム太郎さぁん。何ひとりごと言ってるんですか?この辺りは足が滑りやすいから気をつけて歩いてくださいね……ってうわあー!」
言ってる側からこうしくんは足を滑らし坂道を転げ落ちていったのだ。丸々とした体のせいなのかバインバインと跳ねながら落ちていくさまが滑稽で不覚にも笑っちゃったのは誰にも言えない僕の秘密なのだ。
「こうしくーーん!大丈夫なのだー!?」
「だいじょうぶじゃないですよー!」
下に目をやるとこうしくんは絶壁にしがみついていたのだ。
「こうしくん!この植物のつるに掴まるのだ!」
「わ、分かりました!」
頑張って引き上げようとするのだけれど重くて全然引き上げられないのだ!このままじゃ二人とも落ちてしまうのだ!
「こうしくん!ヒマワリの種を捨てて欲しいのだ!」
「そんな事できませんよぉ!これはお祝いに使う大事なヒマワリの種なんですよぉ!?」
「ヒマワリの種はまた探せばいいのだ!こうしくんの命の方が大事なのだ!」
「わ、わかりました!」
「今引き上げるのだ!」
「た、助かりましたハム太郎さん……ありがとうございます。なんとお礼をいえば……」
「なにはともあれ助かってよかったのだ!急いで地下ハウスに向かうのだ!きっとみんな待ってるのだ」
PM0:10
「いやー先程は助かりましたよ。あ、ここらへんは足が滑りやすいから気をつけて歩いてくださいね……ってのわあー!」
「こうしくーん!!」
またも言ってる側からこうしくんは足を滑らし坂道を転げ落ちていったのだ。丸々とした体のせいなのかバインバインと錐揉み回転しながら落ちていくさまがひどく滑稽で不覚にも吹き出してしまったのは誰にも言えない僕の秘密なのだ。
「こうしくーーん!大丈夫なのだー!?」
返事がないのだ。
「こうしくーーん!」
……返事がかえってこないのだ。
僕の声があたりに響き渡った後、木々がざわめく。
一瞬不安になった後、あたりを見回す。
一呼吸置いたあと、急いで崖を下りて
こうしくんのもとに向かった。
PM0:15
なんてことなのだ。
こうしくんは身体中傷だらけでうずくまっていたのだ。
「うう……」
呻き苦しむ声が聞こえる。
「こうしくん」
一目で重症と分かる傷の大きさ。
周りに飛び散った血液の量。
呆然と立ち尽くす僕にできること。
急いで助けを呼びに……
呼びに行って、どうなるのだ?
みるみる呼吸が弱くなってくこうしくんを、みんなを呼びに行って、そこから運んで……。
そんなんじゃ、こうしくんの体力が持たないのだ。
結局こうしくんが死ぬまで苦しむさまを見続けることしか出来ないのだ。
……そんな事出来ないのだ。
「こうしくん」
「ハム太郎、さん」
僕に出来ることは何なのだ?
僕に出来る唯一の、事。
こうしくんを楽にしてやることだけ、なのだ。
「今すぐ、助けるのだ」
僕は、嗚咽するこうしくんの首に手をかけ
気が遠くなるほどの時間が過ぎるのを待った。
PM0:20
僕はこうしくんを助けたのだ。
それしかなかったのだ。
僕はこうしくんを助けたのだ。
僕の判断は間違ってないのだ。
でも僕は、これからどうすれば?
頭の中が渦巻く、幾つもの案が浮かんでは消えた。
そして一つの結論に辿り着いた。
そうなのだ。
こうしくんがさびしくないように。
みんなをこうしくんのもとへ。
はむはーっ!
こんにちはなのだ!
僕、ハム太郎なのだ!
えっ?
今僕らは何をしてるかって?
ふふふ、聞いて驚くななのだ。
今日はクリスマスなのだ。
つまりこれからみんなでパーティーなのだ!
今年のコンセプトはプレゼントを持ち合ってサプライズパーティーだから僕はもう楽しみで待ちきれないのだ!
「ハム太郎さぁん。何ひとりごと言ってるんですか?この辺りは足が滑りやすいから気をつけて歩いてくださいね……ってうわあー!」
言ってる側からこうしくんは足を滑らし坂道を転げ落ちていったのだ。丸々とした体のせいなのかバインバインと跳ねながら落ちていくさまが滑稽で不覚にも笑っちゃったのは誰にも言えない僕の秘密なのだ。
「こうしくーーん!大丈夫なのだー!?」
「だいじょうぶじゃないですよー!」
下に目をやるとこうしくんは絶壁にしがみついていたのだ。
「こうしくん!この植物のつるに掴まるのだ!」
「わ、分かりました!」
頑張って引き上げようとするのだけれど重くて全然引き上げられないのだ!このままじゃ二人とも落ちてしまうのだ!
「こうしくん!ヒマワリの種を捨てて欲しいのだ!」
「そんな事できませんよぉ!これはお祝いに使う大事なヒマワリの種なんですよぉ!?」
「ヒマワリの種はまた探せばいいのだ!こうしくんの命の方が大事なのだ!」
「わ、わかりました!」
「今引き上げるのだ!」
「た、助かりましたハム太郎さん……ありがとうございます。なんとお礼をいえば……」
「なにはともあれ助かってよかったのだ!急いで地下ハウスに向かうのだ!きっとみんな待ってるのだ」
PM0:10
「いやー先程は助かりましたよ。あ、ここらへんは足が滑りやすいから気をつけて歩いてくださいね……ってのわあー!」
「こうしくーん!!」
またも言ってる側からこうしくんは足を滑らし坂道を転げ落ちていったのだ。丸々とした体のせいなのかバインバインと錐揉み回転しながら落ちていくさまがひどく滑稽で不覚にも吹き出してしまったのは誰にも言えない僕の秘密なのだ。
「こうしくーーん!大丈夫なのだー!?」
返事がないのだ。
「こうしくーーん!」
……返事がかえってこないのだ。
僕の声があたりに響き渡った後、木々がざわめく。
一瞬不安になった後、あたりを見回す。
一呼吸置いたあと、急いで崖を下りて
こうしくんのもとに向かった。
PM0:15
なんてことなのだ。
こうしくんは身体中傷だらけでうずくまっていたのだ。
「うう……」
呻き苦しむ声が聞こえる。
「こうしくん」
一目で重症と分かる傷の大きさ。
周りに飛び散った血液の量。
呆然と立ち尽くす僕にできること。
急いで助けを呼びに……
呼びに行って、どうなるのだ?
みるみる呼吸が弱くなってくこうしくんを、みんなを呼びに行って、そこから運んで……。
そんなんじゃ、こうしくんの体力が持たないのだ。
結局こうしくんが死ぬまで苦しむさまを見続けることしか出来ないのだ。
……そんな事出来ないのだ。
「こうしくん」
「ハム太郎、さん」
僕に出来ることは何なのだ?
僕に出来る唯一の、事。
こうしくんを楽にしてやることだけ、なのだ。
「今すぐ、助けるのだ」
僕は、嗚咽するこうしくんの首に手をかけ
気が遠くなるほどの時間が過ぎるのを待った。
PM0:20
僕はこうしくんを助けたのだ。
それしかなかったのだ。
僕はこうしくんを助けたのだ。
僕の判断は間違ってないのだ。
でも僕は、これからどうすれば?
頭の中が渦巻く、幾つもの案が浮かんでは消えた。
そして一つの結論に辿り着いた。
そうなのだ。
こうしくんがさびしくないように。
みんなをこうしくんのもとへ。
更新日:2021-09-11 08:37:36