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外套と幽霊とエメロクスフ
翌日。
いつもと変わらず、コバルトはお菓子に囲まれ、本を読んでいた。
コバルトがいるところは、薄ピンクに壁紙におしゃれな窓がいくつか...というだけの、一見殺風景なところだ。
しかし、ビスクドールのようなコバルトと、散らばった色とりどりのお菓子の包み紙のおかげで、なんだかいい感じの雰囲気を醸し出している。
コバルトは静かな空気の中で、大好きな本を読んでいた。
しかし...。
「おっおーい...はあはあ...」
裕樹が螺旋階段を上ってきた。
コバルトは本をパタンと閉じた。
「裕樹、その手はどうしたのだ?」
裕樹の右手には、包帯がぐるぐると巻いてある。
「君に握られたから痛いんだよ!」
コバルトは裕樹の嘆きを無視した。
「裕樹、買い物に付き合ってくれないか?」
「ちょっ!コバルト、僕の話は無視かぃ?」
「無視ではない。黙秘だ。」
「一緒じゃあないか!?」
また無視して、コバルトはすくっと立ち上がった。
黒い外套がふわっとゆれる。
今日のドレスもピンク色だが、昨日着ていたのとは違う。
コバルトは小さかった。
裕樹のかたに、頭のてっぺんがやっと到達する感じだ。
裕樹は少しびっくりしたが、そんなことを口に出したらコバルトに殴られるので、口をつぐんだ。
「裕樹、ついてこい。私の部屋へ案内する。」
コバルトは螺旋階段の塔の扉をきいいと開き、茶色のショートブーツをかつかつ言わせながら昇っていく。
裕樹も負けじとついていく。
少し昇ると、ピンク一色の部屋に到達した。
ピンクのベッド、ピンクのクローゼット、ピンクのデスク...。
「こ、ここ、コバルトの部屋かい?」
コバルトはちょっと恥ずかしそうにうなずいた。
「この塔は、一階が書籍棚に囲まれたエントランススペース、二階が、私がいつもいるフロア、三階が最上階で、私の部屋...となっている。」
裕樹はふんふんとうなずいた。
「つまり、この塔はいろいろと君仕様なんだね。
コバルト、ピンクすきなんだ?」
コバルトは顔を赤くしてそっぽを向いた。
いつもと変わらず、コバルトはお菓子に囲まれ、本を読んでいた。
コバルトがいるところは、薄ピンクに壁紙におしゃれな窓がいくつか...というだけの、一見殺風景なところだ。
しかし、ビスクドールのようなコバルトと、散らばった色とりどりのお菓子の包み紙のおかげで、なんだかいい感じの雰囲気を醸し出している。
コバルトは静かな空気の中で、大好きな本を読んでいた。
しかし...。
「おっおーい...はあはあ...」
裕樹が螺旋階段を上ってきた。
コバルトは本をパタンと閉じた。
「裕樹、その手はどうしたのだ?」
裕樹の右手には、包帯がぐるぐると巻いてある。
「君に握られたから痛いんだよ!」
コバルトは裕樹の嘆きを無視した。
「裕樹、買い物に付き合ってくれないか?」
「ちょっ!コバルト、僕の話は無視かぃ?」
「無視ではない。黙秘だ。」
「一緒じゃあないか!?」
また無視して、コバルトはすくっと立ち上がった。
黒い外套がふわっとゆれる。
今日のドレスもピンク色だが、昨日着ていたのとは違う。
コバルトは小さかった。
裕樹のかたに、頭のてっぺんがやっと到達する感じだ。
裕樹は少しびっくりしたが、そんなことを口に出したらコバルトに殴られるので、口をつぐんだ。
「裕樹、ついてこい。私の部屋へ案内する。」
コバルトは螺旋階段の塔の扉をきいいと開き、茶色のショートブーツをかつかつ言わせながら昇っていく。
裕樹も負けじとついていく。
少し昇ると、ピンク一色の部屋に到達した。
ピンクのベッド、ピンクのクローゼット、ピンクのデスク...。
「こ、ここ、コバルトの部屋かい?」
コバルトはちょっと恥ずかしそうにうなずいた。
「この塔は、一階が書籍棚に囲まれたエントランススペース、二階が、私がいつもいるフロア、三階が最上階で、私の部屋...となっている。」
裕樹はふんふんとうなずいた。
「つまり、この塔はいろいろと君仕様なんだね。
コバルト、ピンクすきなんだ?」
コバルトは顔を赤くしてそっぽを向いた。
更新日:2012-03-26 12:22:57