• 33 / 1468 ページ

駆け抜けろ、学園生活!

入学式も終わった3日後。
初めての授業が行われ、遊速は教科書を読んでいた。

「カードテキストには時折初心者を困らせるテキストがある。具体的な例として時と場合である」

遊速が教科書を見ていると、そこにはカードテキストが2枚あった。

「たとえば、特殊召喚に成功した時、……の効果を発動できると書いてある場合である。この特殊召喚がチェーン2以降で行われた場合、他のカード効果の効果解決を順を追って解決していくため、基本的にタイミングを逃す」

「そのとおり。では、教科書に書かれているカード以外で君が知っているカードでその例を述べてみなさい」

「はい。E・HERO エアーマンがいい例です。相手がサイクロンを発動し、対象となったリビングデッドの呼び声を発動し、墓地のエアーマンを蘇生させたとしても、それはチェーン2のリビングデッドの呼び声で特殊召喚したため、タイミングを逃し、結果として効果を発動することができません」

「よろしい。では、次は千住 千夏。場合のテキストを説明しなさい」

「はい。場合と書かれたカードの場合、タイミングを逃すことがないのでできると書かれていたとしても問題なく発動することができます。しかし、これはあくまでカードごとの裁定なので例外もあり、たとえばインスタント・ネオスペースや墓守の長などがこの例にあてはまります。基本的にこういったテキストの違いや例外などがデュエル初心者を困らせていると言っても過言ではないでしょう」

「うむ、そのとおりだ」

滝が笑顔を浮かべると、遊速も千夏もお互い顔を見合わせながら微笑んだ。

「おっと、そろそろ時間だな。では、今日の授業はこれで終わり」

滝がそう言いながら出て行くと、遊速も千夏もはーっと思いっきり息をついた。

「き、緊張したぁ……」

遊速が息を吐きながらそう言うと、隣にいた千夏も同様に息を吐きながら机に垂れる。

「やっぱりアカデミアのデュエル授業難しいね……1年生でこれだと、卒業間近になるとどうなることやら」

「でも、千夏凄いじゃん。俺インスタント・ネオスペースや墓守の長などが場合のテキストでも任意効果だったなんて知らなかったぜ」

遊速が笑顔を向けたのを見て千夏は嬉しそうな表情をする。

「た、たまたまよたまたま」

「たまたまだとしても知識を有効活用できるなんてすごいぜ」

遊速がそう言うと、千夏が照れたような表情を浮かべ、そっぽを向いた。
遊速がきょとんとした表情を浮かべていると、鉄平が困ったような表情を浮かべながら遊速の元に来る。




「遊速~、この問題どうやって解けばいいんだ?」

「鉄平……これ初級の詰めデュエル問題だぞ?」

「俺、基本的に自分のデッキ以外のカード効果なんて知ったこっちゃねぇんだもん」

「偉そうに言うことか」

遊速がツッコミを入れると、鉄平が手を合わせて頼み込む。

「お願いだ、教えてくれ!」

「しょうがねぇな。ほら、ここは王虎ワンフーの効果が反転召喚に対応していないことを利用して」

「そっか、なるほど!」

遊速と鉄平が楽しそうに問題を解いている姿を見て千夏の表情に意識せずに笑みがこぼれる。

(いいなぁ、楽しそう)

「千夏ちゃん、この問題わかる?」

和葉が先ほどの鉄平と似たような表情を浮かべ、問題集を持って千夏の元に来た。

「ああ、この問題ね」

遊速と千夏も鉄平と和葉という友を得て、それぞれ楽しく過ごしていた。


更新日:2012-03-08 00:05:05

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook