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次に向かう島は、森の島からかなり北西に進んだところにある。




「うむ、見えてきたぞ!」

いくつもの海域をこえて行き、やっと目的の島が見えてきた。


まだ遠いのでぼんやりとしか見えないが、その島の上にだけ、真っ黒な雲がかかっているように見える。


「…なんだ?」
その雲を見た赤獅子の王が呟いた。


「……」



島に近づくと、辺りは真っ暗になり、激しい雨が降り雷が鳴り始めた。


「な、なんということだ‥‥島が‥‥!」

その島は崩壊してしまっていた。


「…遅かったか」

「もしやと思っていたが、これほどまでとは…」


赤獅子の王が声を落として言う。


「この島にはジャブー様という水の精霊が住んでおられたのだが、この様子では、もはや…」

リンクはジャブー様から神珠を授けてもらうはずだった。



「お〜い!リンク!」

2人が呆然としていると、突然リンクを呼ぶ声がした。
聞き覚えのある声だ。


振り向くと、こちらに向かってオドリーが飛んできた。


「やっぱりここにいたか、探したぜ!」

「お前、ジャブーという精霊を探しているんじゃないのか?」
リンクは頷いた。


「残念ながら、ジャブーはココにはいないぜ。」

そしてオドリーは島の方を見る。


「しかし、派手に荒らされたものだな…コレも、魔獣島のバケモノの仕業らしいぜ。」

やはり、リト族は情報が伝わるのが早い。

オドリーはリンクに向き直る。


「でも、安心しな!お目当てのジャブーは、島が襲われる前にある場所に逃げているよ。」

「どこだと思う?」

更新日:2012-02-17 23:46:19

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