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第二章 曇りのち雨

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125


月曜日の出勤前、テレビの天気予報の降水確率は、80%を超えていた。


外を見るとまだ、降り出してはいなかった。


利奈は傘を持って、会社に出勤した。


会社に着くと、社内は新しいビールの企画の準備で忙しい。


利奈も担当の部署に着いた。


発泡酒の売り上げは安定していたが、ビールの売り上げは伸び悩んでいた。


この不景気で、宣伝費もままならない中、少ない経費でどれだけ、


売り上げを伸ばせるかが、最大のポイントであった。


ビールのパッケージのデザインなども、大幅な変更は避けて、


シンプルでいて、インパクトが有るフレーズを健闘していた。


そして近くの代理店にて、広告を持って外に出ると雨であった。


営業の石塚と一緒に、傘を差し代理店に向かっていた。


すると雨と若葉が混じる、独特な匂いを感じた瞬間、


脳裏にまた白黒の画像が映し出され、一瞬で消えてしまった。


その画像は見知らぬ女性と傘を差し、道路を歩いている自分だった。


その場で立ち止まる利奈に、石塚が驚いて、「どうしたんすか、


一昨日から変ですよ。


また頭に変な男が舞い降りて来たっすか」と、問い掛けると、


利奈は、「そうよでも今度は、見知らぬ女性と、傘を差して歩いてる。


どうしてだろう」と、考え込んだ。


石塚は心配そうに、「どうしてそんな事が、


頭に浮かぶのか、理解が出来ません」と、答えて利奈を不思議そうに、


見ていた石塚が、「利奈さん、一度神経科に行って、


見て貰った方がいいっすよマジで」と、指摘した。


利奈はボーっとして、「そ、そうだよね、


私どうかしちゃったみたい」と、答えると、


石塚は、「取り合えず代理店急ぎましょうよ」と、急かした。


利奈、「そ、そうそう、早く行かなきゃ」と、我に返る利奈。


二人は駆け足で、代理店に向かったのであった。


本社に帰ると、社内では利奈の話しに皆集まり考えていた。


近藤が、「フラッシュバックね」と、語ると、


石塚は、「なんですかそれ」と、近藤に問い掛けた。


近藤は、「強いトラウマ体験、心的外傷を受けた場合に、


後になってその記憶が、突然かつ非常に鮮明に思い出されたり、


同様に夢に見たりする現象」。


利奈、「私、そんな酷い男と今まで、


付き合って来た事は有りません」と、怒った。


近藤、「逆説も言えて、楽し過ぎた思い出を、


大事に仕舞って置きたい時にも、同じ現象が起きる」と、語ると、


利奈は考えてみたが、思い当たる節は無かった。


恭子、「先輩疲れているんですよ、この頃忙しくて」と、忠告すると、


皆考えていたが、軽いストレスだと思った。


吉川、「ただ白黒画像と言う点が、不思議だけどね」と、答えると、


垣田は、「それはモノトーンがカラーよりも、印象的で有りたいと思う気持ち、


つまりその、フラッシュバックされる思い出は、


昔の思い出と頭の中で位置付ける為に、


自分で白黒画像で蘇らせる」と、悟ると、


利奈は、「でも私そんな男知らないし、昼間にそんな明るい部屋で、


エッチした体験も有りません」と、あっさり垣田の説を、否定した。


更新日:2016-12-26 11:15:18