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第三章 花火

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125


隅田川の花火の季節、利奈と光秀は隅田川の橋から、花火を見ていた。


利奈は浴衣に身を包み、光秀は着物姿で花火を楽しんでいた。


利奈はひとしきり、上がる花火に声を出して喜んでいた。


街行く花火を観覧する人々も多く、露天商も立ち並ぶこの東京の風物詩は、


一時の不景気風を、吹き飛ばす様であった。


心が弾む利奈を見て、何気なく幸せを感じた光秀、


時より利奈の横顔を見つめていた。


そんな光秀に気づく利奈は、光秀の思いが伝わったのであった。


すると突然、光秀は、「愛してるよ」と、呟いた。


利奈は花火の音にかき消されて、光秀の声が聞こえず、


振り向いて、「へ」と、答えた。


光秀、「だからさ愛してるって」と、声を大にして言い放った。


利奈驚いて、「なによ突然、こんな派手に花火打ち上げている最中に、


愛しているだなんて」と、躊躇した。


利奈は光秀の気持ちは解っていたが、照れくさかった。


光秀は花火を見詰めて、「今までこんなに、はっきり本気で、


お前にこんな事を、言った試しは無かっただろ」と、強く答えると。


利奈は、「だからって、こんな賑やかな場所で、言わなくても良いでしょ、


もっと二人きりになれる場所で、言いなさいよ」と、膨れた。


光秀はその時、思い切り大きな声で、


花火の爆発音と共に、「利奈愛しているぜ」と、言い放った。


数人観客者が気づいて、二人の方を見て笑っていた。


恥ずかしくなる利奈は、「もう、ちょっと空気読みなさいよ」と、


怒りながら、光秀の腕を叩いた。


光秀もむきに成って、「いいだろ、皆んなの前で愛を叫んだだけだ、


本気なんだから、何が悪いんだよ」と、怒った。


利奈は周りを気にして、「婚約しているんだから、解っているわよもお」と、


むきに成った。


すると突然光日では、利奈の唇を奪った。


その瞬間花火が打ちあがると、観客は二人を見て拍手喝采であった。


キスを終えると突然利奈は、治ったはずのフラッシュバックが襲った。


やはりどこかの土手で、花火を見ていて突然見知らぬ男性に、


キスをされる、フラッシュバックであった。


無論その男性の顔が見えなかった。


そんな利奈にキスを終えた光秀は、「どうしたんだ」と、問い掛けられると、


利奈は唇に指を触れて、「何でも無いの、ただいきなりだったから、驚いたの」と、


言い訳をしたのであった。


そして二人は、花火を見ながら、隅田川沿いの道を歩いていた。


露天商が立ち並ぶ賑やかな街を歩く二人、利奈の指にはヨーヨーのゴムが付いていた。


何気なくそんな利奈の姿を見る光秀は、何となく元気が無い利奈の表情を捉え、


光秀は、「悪かったよ、調子付いてキスしたりして」と、謝ると、


利奈は顔を上げて、急に光秀の唇を奪った。


立ち止まって道端でキスをする二人を、人々が避けて歩いていた。


長いキスを終えると利奈は、光秀の顔を見つめて、「愛しているは私も、


勢いだけでは無く、本当に心からあなたの妻になる事を、


願っているの」と、語ると、


光秀も利奈の顔を見詰めて、「利奈」と、呟いた。


二人はお互いに見詰め合い、抱き合ってキスをしたのであった。


そしてキスを終えると利奈は、「人が見ている前で、愛を告げる時は、


これくらい真剣に、大胆にするものよ」と、語ると、


光秀はその真剣な眼差しに、「負けたよ利奈には、でも嬉しいよ、


俺の事そんなに真剣に考えてくれて」と、微笑んだのであった。


利奈は先ほどのフラッシュバックを、拭い去りたかった。


身に覚えの無い男性との恋愛の記憶は、


今の幸せを熟知したい、彷彿感の記憶に変えたかったからだ。


見知らぬ記憶に戸惑う利奈は、今の幸せを一生の物と、


位置づけたいと思ったのであった。




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更新日:2016-12-26 15:51:39