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光秀、「良かったな、お前の職場忙しいからな、


羨ましいけど」と、言ってビールを飲んだ。


利奈も、レバニラ炒めを口にしながら、「遣りがい有るけど、


切が無いの」と、愚痴を零した。


光秀、「それは羨ましい限りだな、


俺の会社は、半分傾きかけてると言うのに」と、やっかんだ。


利奈、「倒産したら、私が今の会社に頼んで見るわよ」と、答えると、


光秀は、「俺は営業には向かないぜ」と、拒んだ。


利奈、「何のんきな事を言っているのよ、


いざと成ったら遣るしかないでしょ」と、膨れた。


光秀、「利奈に会社でこき使われるのが、しゃくだな」と、首を傾げながら、


ビールを口にする光秀だった。


利奈、「そう言う事言ってると、婚約破棄するからね」と、脅かすと、


光秀は、「酷い上司に成りそうだな利奈は」と、ため息を付いた。


そんな会話で食事が進む二人であった。


食事を済ませ、二人は一つに成った。


カーテン越しに漏れる街の明かりが、利奈の眼差しに入ると、


愛されている感覚と共に、ロマンを抱いた。


愛される事、それは永遠に心切なく愛の証は、


漏れる吐息で証明された。


愛しいと、願う心が永遠の幸せを求めさ迷うと、


愛の証は時が激しくさせる営みは、遥か彼方の深い海へと、沈んで行く二人であった。


利奈は、「あー」と、声を上げると、「幸せかい」と、呟く光秀に利奈は、


「この仮の幸せから、本当の幸せを味あわせて欲しい」と、呟くと、


光秀は、利奈とキスをする。


その時、光秀は、「愛の証は、結ばれてから育むとしよう」と、語り掛けると、


利奈は、「子供が欲しい」と、呟くと光秀は、


利奈の体内に幸せを落とさず、利奈の体から離れた。


利奈、「落としてくれたら、少しはマリッジブルーが安らぐのに」と、語ると、


光秀は、「育てて行く自信が無い訳ではないさ、ただ不安定な職場に、


新しい光が差さないと、後で苦労するだけだから」。


利奈は微笑んで、「そうね」と、呟いた。


部屋の明かりを点けぬまま、眠りに着く二人は、


未来の希望を、打ちひしがるこの世の中から、


仄かな希望を育んでいた。


街の明かりはただ、そんな二人に優しく、明かりを灯す様であった。


       
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更新日:2012-02-04 17:39:52

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