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2. 5日間


今日も、いつもと同じ朝。




プシュー

バスの扉が開いた。
俺は2つあいている席にいつもと同じように座る。
いつも、愛美はもうくるはずなんだケド

この日は いつまでたってもこないから バスが動き出してしまった。





次の日 

俺はこのときばかりは不安だった。

なぜなら いつも 愛美は遅刻したことを
メールで送ってくるからだ。
ケド 昨日は それがなかった。


 
「いってきます」
久々に飼い犬にそういっておれは 家をでた。

いつもなら 普通は歩くこの道を走っていくのだが、
今日はゆっくり歩いてバス停まで行った。

行くときは ずっと愛美のことを考えていた。
今日はちゃんとくるのかな
それしか 俺の頭の中には無かった。
そんなことを ずっと考えていたせいか

「今日はちゃんとくるよなあ」
あっ!!口に出てしまった。

すると、横のおばあさんが
「誰がだね?」と低い声で言ってきた。
俺はとっさに 
「かっ彼女です。」
というと おばあさんは
「いいね。 若いって言うのは・・・」
と、言われたので、
俺はなんて返していいか分からなかった。

沈黙のときが流れる
・・・・・・・

プシュー
バスが来た。
俺はまたすぐに乗り込んで2つ用の席に座る。

「まだこないか」
といって 俺はボーっとしていたら バスが出発していた。
あーまたこなかった。




この日から 3日間も 愛美はこなかった。


あの日から6日目
俺はいつものように2つ用の席に座る
「おはよう。」
と、声をかけられた。

それは 紛れも無く
愛美だった。

久しぶりに会っても 愛美は笑顔だった。

「おすっ」
「隣いい?」
「おう。」
「ねぇ怒ってる?」
「・・・。」
「やっぱり怒ってるよね、ごめんね。」
「・・・。」
「私ね この5日間ね、風邪ひいてたの・・・。」

おれは風邪という言葉を聞いて安心した。
「そうなんだ・・・。」
「うん。」


ちょっと沈黙があった。

けどまた数分たつといつもとおなじになった。



久々に愛美の笑顔を見れてうれしくなった!!

ケド 何かが違う。

愛美の笑顔が なんか違う。
心からあまり笑っていない、どこか寂しそうな笑顔だった。
俺は、そのことには触れなかった。

触れてはいけない気がしたからだ。

更新日:2011-12-14 17:36:59

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