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1 新たな話

カレンダーは10月。

太郎が神戸へ戻り、3週間が過ぎた。

結衣を始めとした地域営業部は、新体制の中、

『第3営業部』の一員としてスタートを切っている。





地域営業部に比べて、人数は3倍以上に膨れ上がった。

その分、部屋の広さもあるため、ちょっとした話が、

端からは端まで広がってしまうようなことはない。



元々、『ERGORA』本社から指令を受け、

『フワロン』の名前を残す製菓部門を、盛り上げるために来た部員たちは、

それぞれチームを組み、大手の企業や店舗へ売り込みをかけていく。

瑠衣や熊田もその組織に巻き込まれながら、忙しく動いていたが、

結衣の前だけは机が空いたままになっていて、この3週間新しい動きが全くない。

今まで抱えていた得意先周りをしながら、今日も1日が終った。





「あのさ、瑠衣。すごく基本的な質問なんですけど、いい?」

「何?」

「私って、大山部長から認識されているのかな」

更新日:2011-11-25 20:13:33