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ももたろう2

桃太郎って2番まではやたら有名だよな。でも、この歌は6番まであるんだ。親たちが酒の仕込みに忙しい時期、俺の面倒を見てくれてた婆ちゃんがよく歌ってたもんさ。俺は、思わず歌の続きを口ずさんだ。

『行きましょう 行きましょう
あなたについてどこまでも
家来になって行きましょう

そりゃ進め そりゃ進め
一度に攻めて攻め破り
つぶしてしまえ、鬼ヶ島

おもしろい おもしろい
残らず鬼を攻め伏せて
分捕り物をえんやらや

万々歳 万々歳
お供の犬や猿雉(さるきじ)は
勇んで車をえんやらや』

…俺の桃太郎、じゃなくて右京さんがいくら頑張ったところで、たぶんそういう日は来ないような気がする。でもこの人は、絶対に逃げ帰るということをしない。だから俺も、右京さんについてどこまでも、なんだ。
もし、右京さんが軍人だったらどうするかな。無茶な作戦に対しては、小柄な身体をぶるぶる震わせながら「冗談じゃない!…できませんッ!」って低い声で叫びそうな気がする。
それで左遷されて南方のトンデモナイ作戦に投入され、持ち前の頭脳で素晴らしい作戦を立てて一時はかなり敵をひるませ大奮戦するも、結局は…。
…だめだ、また、さっきの映画を右京さんに重ね合わせてしまった。

俺、右京さんのことが大好きだ。でも美和子のことも同じくらい好きなんだ。自分でもムシが良すぎると思う。でもさ、どちらか片っぽなんて選べないよ。きっと俺みたいなのを優柔不断って云うんだろうな。

右京さんは、そんな俺のことを決して責めない。いっそ、「いい加減にしなさいッ!」ってキレて蹴飛ばすか、グーで思い切り殴ってくれたほうが余程、気がラクになるのに。
俺の左目からこぼれた涙は、肘枕で頭を支えていた手の隙間を通って耳に流れていった。



あとがき;ああ素晴らしきかな、だめんず(笑)とりあえず、目標の20日UPは達成しました。出来はイマイチですが。

某所にて『桃太郎』のフルコーラスを聞き、「この曲、思い切り亀山君と右京さんの歌やん!」とか思ってしまった私。もう人間やめかけてます。なお、『部下役の冴えないオッサン』というのは、温水洋一さんをイメージして書きました。温水さん、実は結構好きな役者さんなんです(男は顔じゃないッ!…なんてね)。
右京さんの中の人には悲惨な戦争映画にも出てほしいな、インテリ軍人さんの役で。右京さんキャラとかぶっちゃうから、無理ですかね…。

筆者の身内には激戦地からの生き残りやら、東京大空襲の生き残りやらがいるので、どうしても第二次世界大戦をほんの少し前の出来事のように感じてしまいます。こないだは、仕事が早く終わった日に、靖国神社の『遊就館』を見てから帰りました。真面目に歴史を知りたい方には、絶対オススメスポットです。亡くなった方々の御遺品が展示してある展示室の辺りは、若い方にも絶対に見てほしく思います。本当に素晴らしいオリンピック選手とか、すごい方が沢山亡くなってしまったんですよね…。

こちらでは、徳川慶喜の軍服等も所蔵しており、それがすごく小さくて萌えました(本当に厳粛な気持ちで行ったのに…)
ちなみに当方、右翼でも左翼もありません。ただの『今年になってから相棒にハマった、にわかファン』ですので、誤解なきよう願います。

更新日:2011-11-21 00:10:06

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相棒SS(二次小説)「ももたろう」