• 2 / 25 ページ

第2回目

 チャンチャラララランチャララ……

「はーいっ、六時につながる異次元チャンネル、ラジオ『きらきら星放送局』<マッドパーティのマッドティーパーティー>ぃー! パーソナリティーはワタクシ、三月うさぎと」
「帽子屋」
「眠りねずみ」
三月兎「でお送りしまーす! ……お、起きとったやん、ねずみ」
眠り鼠「どこかの狂った男に無理やり起こされてね」
帽子屋「ほう。誰のおかげかわからないとは、心の距離を感じるな」
眠り鼠「どことははっきり言えないが、どこかおかしな男だった」
帽子屋「どこがおかしい?」
眠り鼠「どーこー(動向)が……うわあ、蹴らないで!」
帽子屋「どうこう言いやがって」
三月兎「ストップストップ! 狭いんやから暴れないで。ボクらみんな追い出されるわ。ほら、『狂った男と狂ったかみさん…… くるくる狂って……悪魔もたまらず追ん出した』(マザー・グース)」
眠り鼠「くるくる……くるくる……」
****「その話の教訓は……」
帽子屋「うん? こいつ誰だ?」
三月兎「今日のゲストの公爵夫人でーす!」
公爵夫人「その話の教訓は、『He should have a long spoon that sups with the devil. (悪魔と食事をする者は長いスプーンを持たなければならない。)』」
三月兎「お、さっそく。……ん? つまりなんや。講釈してください」
公爵夫人「悪魔は長い舌を持っているので、一緒に食事するなら、長いスプーンを持っていなければならない。ずるい相手にはもっとずるく! つまり、相手のより上をいけ、ということです」
三月兎「ほほう、なるほどォ」
眠り鼠「あるいは、先に食事にツバをつけとけってことさ」
帽子屋「あるいは、一緒に食事する相手を選べってことだな。…… ぐっ、ぐっ、ごくん!」
眠り鼠「あー! オレの紅茶ー!」
三月兎「さーて、ハガキを読みまっしょー! 1のハガキ、前へー! ……えー、埼玉県の『バイク』さん」
眠り鼠「バイク? ライダーでもバイク屋でもなくて?」
帽子屋「バイクもしゃべるんだぜ。音で調子がいいかどうかわかる」
公爵夫人「その話の教訓は、すべてのものに耳を傾けろということです」
三月兎「今はボクに向けて! えー、では読みまーす。『こんにちは。わたしは女性ですが、この前、間違えてなんと男子トイレに入ってしまいました!』 ……あららー。『トイレを出るまで気がつきませんでした』……うっかりさんやね。『トイレの扉は開け放ってあり、男マークも女マークも見えませんでした。おまけにどっちも同じようでした。男子トイレには個室の他に小用がひとつありましたが、それは女子トイレにもこども用にあるものなので、別におかしいと思いませんでした』 ……あー、ならしゃーないわ。『誰にも見られなかったと思うけれど、気付いたときにはめっちゃ恥ずかしかったです』……どう思う?」
帽子屋「いいじゃねえか。女子トイレ混んでるからって知ってて男子トイレに入ってくるオバハンだっているんだし」
眠り鼠「男だと許されないことだけど、女の子はね……」
公爵夫人「誰かに迷惑かけたわけでもないですもんね」
三月兎「とはいえ、本人にとってはおっきな問題やろな。ホンマに誰にも見られんかったならええけど。もしバレてもうたら」
帽子屋「うら若き乙女なのか、そのバイクさんは?」
三月兎「さァ、どうやろ」
眠り鼠「でも、間違える時点で『乙女』とはちょっと……」
三月兎「どのみち問題や。年取ってても、取ってなくても」
眠り鼠「どの道でも問題なら、いっそ突っ走ちゃえば?」
公爵夫人「確かに、誰しも年を取りますからね。その教訓は、二度と戻れない今を大切に生きろってことです」
帽子屋「そうかあ?」
公爵夫人「虎○竜が歌ってるでしょ」
眠り鼠「あー……ロード……」
公爵夫人「細かいことも注意しましょうという意味です」
眠り鼠「ああ。じゃあ、帽子屋。帽子の向きが逆だよ」
帽子屋「俺は見ないんだからどっちを向いてても同じだろ」
三月兎「ラジオやから言わなきゃわからんのに……」
眠り鼠「それなら、バイクさんもね」
三月兎「その通りや! よっしゃ、まとまった! そんじゃまった来週ー! 公爵夫人、ありがとうございましたー! ぱちぱちぃー!」
眠り鼠「ぱちぱちー」

 チャンチャラララランチャララ……

更新日:2011-11-17 22:24:03

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook