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第1回目


 チャンチャラララランチャララ……

「はいはーい、六時につながる異次元チャンネル、ラジオ『きらきら星放送局』<マッドパーティのマッドティーパーティー>ぃー! ぱちぱちぃー。パーソナリティーを務めますのはこのワタクシ、三月うさぎと」

「帽子屋」

「……」

三月兎 「あら、ひとり居らんわ。あ、おった、おった。寝てるわ。チュージツやな。 ……ほら、起きて起きて。眠りねずみの三人でーす。なんで机の下に居るん?」

眠り鼠 「……シカクに入ってたんだ」

帽子屋 「資格があるから入ってんだろ」

三月兎 「まだやってもおらんのに失格はないやろ」

眠り鼠 「というか……ラジオだから視角には入れない……というか、何コレ?」

三月兎 「別名『頭にうじわいた企画』や。頭が異次元につながるっちゅー、漫画的なもんちゃう? コレ、しょーしんしょーめーの電波やで」

眠り鼠:「君は彼の見ている夢の中の人物、ってわけか……」

帽子屋 「なんだそりゃ」

眠り鼠 「『鏡の国のアリス』に出てくる……」

帽子屋 「知らん」

三月兎 「ボク、知っとるで。アリスがそう言われるんや。彼の目が覚めたら消えてしまう、夢の中の存在に過ぎん、ってな。けど、そんなもんや。ボクらは存在のしょーめいなんてできるか? 自分が今いるこの現実が夢と違うなんて誰が誰に証明できるんや。眠って夢を見ているときだってこれが現実やと疑わへんもんなァ」

眠り鼠 「え……そーゆー方向で進むの? 哲学系?」

三月兎 「ちゃうちゃう、まさか。ウソでもホンマでもかまわんっちゅー話や」

帽子屋 「夢でも現実でもかまわない」

眠り鼠 「有名でも無実でもかまわない」

三月兎 「それを言うなら無名やろー」

眠り鼠 「で、結局、何すんの?」

三月兎 「お、ええ質問やな……ハガキをよんだりします!」

帽子屋 「なら、まずハガキを来させなきゃマズイだろ。ハガキがいないのに、ハガキを呼べるわけもあるまい?」

三月兎 「もちろん、募集しますう。失敗談、体験談、悩み、不満、なんでも来ーい! 番組の感想をそえて送ってね。あて先は番組の最後でー! ……でも、実はすでに1枚あるんです」

帽子屋 「マジかよ」

眠り鼠 「なんで?」

三月兎 「それは読んでのお楽しみ。1のハガキ、前へー! ……ジャジャンッ。ほれ、読んで」

眠り鼠 「え、オレが読むの?」

帽子屋 「でないとおまえ黙りっぱなしだろ」

三月兎 「眠りかねんわ」

眠り鼠 「はいはい……仕方ないな。あ、すごい、ハガキがトランプ模様。えっと…… 『第一回目おめでとうございます。三人でがんばってください。応援してます。Aより』……だってさ」

三月兎 「正直者らしくちゃんと署名してある(『不思議の国のアリス』)と言うてええんかな」

眠り鼠 「これは……作家さんじゃないの」

帽子屋 「身内とは汚いぜ」

三月兎 「ええやないの、そういうもんなんやから」

帽子屋 「そういうもんなのか」

眠り鼠 「うわあ、低そう」

三月兎 「当たり前や。メンバー見てみぃ。高いのやるならボクらが呼ばれるわけがない!」

帽子屋 「言い切った」

眠り鼠 「悲しい……」

三月兎 「こんな感じでだるだるでやるもんや。それではまた六時におきき合いしましょう!」

帽子屋 「お付き合いでは?」

三月兎 「わざとや!」

眠り鼠 「バイバーイ……ふわあぁ……」

三月兎 「おっとぉ。お便りは、『きらきら星放送局』<マッドパーティのマッドティーパーティ>まで! そいじゃ!」

 チャンチャラララランチャララ……


更新日:2013-06-17 05:17:19

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