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お子ちゃまに完敗!? ②

ある日の小児科――。

「はい。 じゃぁ、今度はお腹を診ますからね。 ベッドに横になって下さいね。」

その男の子は、よく意味が分からなかったのか、ただ黙ってイスに座っていた。
私は先生の言葉を受けて、患者さんを診察台へと促す。

「こっちにお靴をぬいでネンネしてね。 大丈夫だよ。 先生がお腹をもしもし(聴診)するだけだからね。」

ようやく診察台に上ったその子は、いつも家でそうしているのだろう。 うつ伏せになって寝ころんだ。
私が体の向きを変えようとしたその瞬間、

「う~んとね、お顔を天井に向けてネンネしてね。」

先生が指を天井に向けて、男の子に見せる。

男の子は少し考えた後…………、 ( 次の彼の行動を思い付ける人はいるだろうか? )
なんとその子は、おもむろに診察台の上に正座したかと思うと、首を後ろ90度に曲げて、顔だけ天井に向けたのだ。


「………………!?」


「う~んと、そう来たか……。」 ポツリと先生が言う。

「ラッコさん知ってる? お腹の上で貝を割って食べるやつ。」

私がそう言いながら横にさせると、やれやれ……ようやく彼は仰向けになって寝てくれた。

その後の診察は問題なく進み、その男の子は無事に帰っては行ったが――。


本当にお子ちゃまというものは、予測不可能な生き物だ。
いったい、何をしだすか想像もできない。

でも、こんなビックリも楽しくて仕方ない。
これからも、もっともっと驚かされたいな……と思ってしまう。

更新日:2015-11-15 20:52:32

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