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☆::第八章  事件の意外な結末::☆

洋子は、北海道の城の内の別荘に来ていた。
鍵を開けて中に入る。
そこは、城の内と一時過ごした思い出の場所・・・
愛しさが込み上げてくる
何処を見ても城の内の姿がそこにある。
「あなた・・・あなたは事件になんて拘わっていないわよね?」
「答えて?」
「拘わっていないって言って」
洋子は、地下の方へ足を踏み入れた。
まだ、入っていない場所だ。
そこは、暗証番号で開けられるようになっていた。
洋子は、城の内のパソコンの暗証に使われている番号を入力してみる。
開かない。
誕生日・・・それも開かなかった。
洋子は、自分の誕生日を入れてみた。

カチャ
開いた。
静かに中へと入ってみる。
すぐ右側に、照明のスイッチがあった。
灯りに照らされたその部屋を見て、洋子は驚いた。
一面洋子の写真でいっぱいだったのだ。
いつ・・・こんなに写真を撮っていたの?
この別荘で過ごしたその時の全てが、そこには映し出されている。
カメラが回っていたってこと?
恥ずかしい姿の自分がそこにいた。
城の内との性交渉の時だわ
奥に入ってみる。
そこには、全ての部屋が見えるように、あらゆる角度からのカメラが設置してあるのだろうことが、一目で解った。
洋子は、自分が今・・・そこに居ることも記録されてることを知る。
外回り、庭全体も見渡せるくらいだ。
何者の浸入でも全て容赦無く写真に残される。
洋子は異様な気がした。
鍵の掛かっているドアがあった。
きっと、そこには重大な秘密が隠されているのだろうと洋子は悟る。

「知られてしまったんだね・・・洋子」
洋子は、驚いて振り向いた。
そこには、紛れも無く城の内が立っていた。


更新日:2013-04-05 10:39:08

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