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・・・亜季の日記・・・


俊は、部屋に戻ると・・・亜季のノートを取り出した。

そこには、本当に女性らしい直筆の華奢なイメージそのものの文字が同じ感覚で目に飛び込んできた。

「 私の愛する人・・・         

                    亜季の日記」

○月○日
私の目には、窓から眺める景色、空の色・・・そして、その枠に入る部分を歩いてる人影だけ
それだけを、目で追いながら一日を過ごす。
     ・・・・・・・・・・・・・

○月○日
あ・・・家が建つのね
土台が組まれたかと思ったら・・もう午後には、殆ど家らしき形になっている。
不思議ね。。。もう住めるみたい。
だけど、一ヶ月もしないで、もう出来上がり人が越してきた。
そんな時だった。
毎朝、同じ時間に通る人が目に入った。
キッリッとして歩いているのが、私にも伝わってくるようだ。背筋を伸ばし足早に前に進む。
その姿に目を奪われた。
そして、やはり同じ時間にその人の帰る姿が目に入った。  いつしか気になる存在になっていたのかもしれない。
毎日毎日その人を目で追ってる自分がいる。
他にも歩いてる人はいるのに。。。


○月○日
そんな時だった。 あの人の朝と夜の動きが変わったのは・・・
何があったのだろう
どうして・・・そんなに悲しい顔をしているの?
私は、その人といっしょに涙を流す
その人といっしょに悲しい思いに沈んでいった。
どうして・・こんな気持ちになるの?

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○月○日
自宅静養を兼ねて、父の友達の職場で仕事が出来るようになった。
午前中だけの仕事だけれど・・久しぶりの仕事に心が弾む。

○月○日
電車の中で。。偶然あの人と再会する
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○月○日
あの人が自分の名前と電話番号。そしてアドレスを記載したメモを私に渡してくれた。
『 金沢 俊 』・・・素敵な名前。。。

○月○日
あの人に逢うたびに、私のこころは春色に染まる
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○月○日
俊さんといっしょに歌を作れるって?
嬉しい。。ほんとうに嬉しい
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更新日:2011-10-24 20:20:45

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