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・・・死が見える・・・

すくすく育った私は3歳になっていた。
目がくりくり大きい私の顔は、周りの人たちの顔を笑顔にした。

朝、目を覚ました私は、母親にこう言った。
「○○のおばあちゃん  死んじゃった」
「え?  そんなことを言っちゃ駄目よ」
「だって、死んじゃったの」

それから、一時間くらい過ぎただろうか・・・
電話がきた。
「○○の○○おばあちゃん  今朝、息を引き取ったってよ」
母親は驚いた。
急性心筋梗塞だった。

母親は私を抱きしめた。

昨日まで、それはそれは元気で畑仕事も普通にやっていたそうだ。
突然の死に回りの家族も驚いたらしい。

慌しく葬儀の形となる。
母親が手伝いに行く。


それからも何度となく人の死が分かるようになっていた。
夢の中で葬式があるのだ。
次の日に起こることが実際に夢の中で同じことが実行されてるようだった。

道を歩いていても、そこで何かがあったことを手に取るように分かってしまう。




感じてしまうことでいいこともあった。

「お母さん  ○○のおじちゃん もうすぐ来るよ」
「そう じゃ~何か作っておかないとね」
母は準備をし始める。
お酒の好きな人だから、つまみを作ることも忘れない。
ビールも冷蔵庫に多めに入れた。
母はにっこり微笑んだ。

○○のおじさんは上機嫌だ。
父とお酒を飲む。
「奥さんが気が利くといいなぁ~」
父も笑う。
話が弾んでいるようだ。

とてもいい雰囲気に、皆の心は和やかさが耐えなかった。





更新日:2011-10-15 19:37:18

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