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はじめてのおつかい

(プリシラ様リクエストでイタチ八歳、サスケ三歳)





「イタチ~。」

母に呼ばれてイタチが台所にやって来た。

「何です?」

そういうイタチの横にサスケ。

「あら、サスケも来たの?餃子の皮を包むの、手伝って欲しいんだけど…。」
「いいですよ。手伝います。」

イタチが袖を捲った。

「ボクもやる!」

すかさずサスケも自分の袖を捲る。
サスケはまだ三歳。手伝うにはまだ幼すぎる。
多少時間が掛っても形が不揃いになってもそれは良いのだ。
何が問題かと言うと、イタチが五個包めばサスケも五個包みたがるし、イタチが上手に作ると、自分も同じように作れないと癇癪を起こすという、大変面倒臭い事になる事だった。

「サスケはちょっと一人で遊んでてくれる?」
「やだ!兄ちゃんといっしょにやる!」
「困ったわねぇ。」

小さなサスケはイタチの行く所にいつもついて行きたがるし、イタチのする事と同じ事をしたがる。

「なんとかお兄ちゃん離れしてくれないかしらねぇ。」

サスケにつきっきりで餃子の包み方を指南するイタチと、うまく出来ない~、と地団太を踏むサスケを見ながらミコトは思う。



ある日の夕方、サスケがまだ昼寝の最中、ミコトはイタチに話を持ちかけた。

「ねぇ、サスケっていつもお兄ちゃんお兄ちゃんってあなたにべったりでしょう?」
「まぁ、サスケはまだ小さいですし。」
「サスケにも、そろそろ一人で何かさせるべきだと思うの。」
「サスケはまだ三歳ですよ!別に今からそんな…。」
「三つ子の魂百までと言うじゃないの。
小さい時からあなたに頼ってばかりだと、大きくなってもそうなるわよ。」
「でも…。」
「サスケに一人でおつかいさせてみようかと思ってるんだけど。」
「おつかい!無理ですよ!あんな小さい子に!」
「あら、あなたは三歳の時一人でおつかい位出来たわよ。」
「そうでしたっけ?」
「すぐそこのお店に行くだけよ。周りはみんなうちはだし、何かあっても大丈夫でしょ?」
「ええ、でも…。」
「じゃあ、決まり。」
「母さん!」

更新日:2013-05-14 21:38:02

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