- 18 / 56 ページ
俺とオタクと水着少女
「熱い、熱い、熱い、熱い、熱い……………」
七月二十日、俺は机に突っ伏せて苛立ちを復唱する。
「別に良いだろ。だって今日で学校最後だし」
「明日から夏休み。それに今日は終業式の約三時間で下校出来る」
机に突っ伏せた俺の目の前に現れる悪友二人。街部と末代。
「うるさい………夏の暑さの八割はお前らだろうが。六割が街部で二割が末代」
「んなっ……和磨、お前暑さを俺のせいにする気か! しかも何で俺が六割!?」
「特にうるさいから………」
「理不尽!」
街部はその後もなんたらこうたら口にしていた。睡魔と熱気に支配されている俺は更にこいつの騒音までストレスの原因となる。
「ああ………それにしてもこの熱さは異常だろ」
地球温暖化により暑さが上昇している地球。冬にこの暑さの余分な分を持って行ったらいいのにと思う自分がそこにいた。更にストレスの原因は、学校にクーラーが設備されていないこと。
団扇で俺を煽ぎ始める街部。
「確かに熱いよな………」
「僕もそう思う。こんな日はプールでも入りたいよね」
末代の言葉を聞き街部は目を光らせる。
「それ良い! 今度三人で近くのプールに泳ぎに行こうぜ!」
「うん、良いね、真! 僕も賛成! 和も来るだろ?」
プールか……それも良い、と一年前の俺なら首を何度も振ることだが今回は違う。
「悪い。俺バイトあるんだ」
「えぇぇ………マジかよ……どうする司?」
「う~ん……和が来ないとなるとな……」
二人は思案顔になってどうするか相談をしていた。そんな二人に俺は心の中で謝る。悪い、バイトは嘘だ。実際は先約がいるんだと。その先約が終わるまではいつ何時プールに行くことは許されない。
「まあ良いや。暇が出来たら連絡くれよ。和磨」
「うん、遊べなくてもメールは送ってくれよ、和」
そんな二人に俺はいつもの口調で言った。
「覚えていたらな」
終業式が終わり俺は一人で下校中。
ふっふふ~と鼻歌混じりに下校する。
携帯のメール受信を開けるとそこには俺のパラダイスがあった。
『From 洞爺御月
Subject プールに行きませんか?
メールとか男子にしたことが無いから間違っていたらごめんね。(女子にもあまりしたことない(笑))
実は私のバイト先でプールの無料券が余ったらしいんだけど良かったら一緒に行かない? 仔那珂さんも招待しているので良かったらメール下さ~い。
もし良ければ日を追ってメールするね』
「ふっふふ………」
勿論メールが来た二十秒後に『行きます』と敬語で送った俺。
「あはははは、はははは、はは」
スキップしながら帰る俺。喜んでいる訳ではないぞ。これ、しかし。
前二人とメールアドレスを交換してから俺は頻繁に彼女達とメールをしている。二人と秋葉原で出会ってそのままでは無いのだ………ちなみに姉にはムキショタでどうにか誤魔化せた。と言ってもムキショタ1しか渡していない。次に買って来いと言われた時に渡せる予備を置いて置く為に。
このメールが来たのは四日前『行きます』と送ったメールの返信はその二日後。プールに行く日は八月一日と決まった。なら何故その日の前に街部、末代とプールに行かないかというと簡単な言葉でお答えできる。
女子とプールに行った輝きが薄くなるからだ。
もしも同じプールに行ってしまったら「ああ、ここ前と同じだ」とつまらなくなってしまう。だから最初は女子達と泳ぎたかったという訳だ。
しかしあれだな。オタク女子が嫌いと言っておきながら、プールに誘われたら断れない自分がここにいる。
「ああ、早くプールに行きたい!」
それどころか上機嫌な俺は、早く時が過ぎろと心の底から思った。
男なんてそんな単純なものだ。
「ああ、八月一日よ、早く来い!」
七月二十日、俺は机に突っ伏せて苛立ちを復唱する。
「別に良いだろ。だって今日で学校最後だし」
「明日から夏休み。それに今日は終業式の約三時間で下校出来る」
机に突っ伏せた俺の目の前に現れる悪友二人。街部と末代。
「うるさい………夏の暑さの八割はお前らだろうが。六割が街部で二割が末代」
「んなっ……和磨、お前暑さを俺のせいにする気か! しかも何で俺が六割!?」
「特にうるさいから………」
「理不尽!」
街部はその後もなんたらこうたら口にしていた。睡魔と熱気に支配されている俺は更にこいつの騒音までストレスの原因となる。
「ああ………それにしてもこの熱さは異常だろ」
地球温暖化により暑さが上昇している地球。冬にこの暑さの余分な分を持って行ったらいいのにと思う自分がそこにいた。更にストレスの原因は、学校にクーラーが設備されていないこと。
団扇で俺を煽ぎ始める街部。
「確かに熱いよな………」
「僕もそう思う。こんな日はプールでも入りたいよね」
末代の言葉を聞き街部は目を光らせる。
「それ良い! 今度三人で近くのプールに泳ぎに行こうぜ!」
「うん、良いね、真! 僕も賛成! 和も来るだろ?」
プールか……それも良い、と一年前の俺なら首を何度も振ることだが今回は違う。
「悪い。俺バイトあるんだ」
「えぇぇ………マジかよ……どうする司?」
「う~ん……和が来ないとなるとな……」
二人は思案顔になってどうするか相談をしていた。そんな二人に俺は心の中で謝る。悪い、バイトは嘘だ。実際は先約がいるんだと。その先約が終わるまではいつ何時プールに行くことは許されない。
「まあ良いや。暇が出来たら連絡くれよ。和磨」
「うん、遊べなくてもメールは送ってくれよ、和」
そんな二人に俺はいつもの口調で言った。
「覚えていたらな」
終業式が終わり俺は一人で下校中。
ふっふふ~と鼻歌混じりに下校する。
携帯のメール受信を開けるとそこには俺のパラダイスがあった。
『From 洞爺御月
Subject プールに行きませんか?
メールとか男子にしたことが無いから間違っていたらごめんね。(女子にもあまりしたことない(笑))
実は私のバイト先でプールの無料券が余ったらしいんだけど良かったら一緒に行かない? 仔那珂さんも招待しているので良かったらメール下さ~い。
もし良ければ日を追ってメールするね』
「ふっふふ………」
勿論メールが来た二十秒後に『行きます』と敬語で送った俺。
「あはははは、はははは、はは」
スキップしながら帰る俺。喜んでいる訳ではないぞ。これ、しかし。
前二人とメールアドレスを交換してから俺は頻繁に彼女達とメールをしている。二人と秋葉原で出会ってそのままでは無いのだ………ちなみに姉にはムキショタでどうにか誤魔化せた。と言ってもムキショタ1しか渡していない。次に買って来いと言われた時に渡せる予備を置いて置く為に。
このメールが来たのは四日前『行きます』と送ったメールの返信はその二日後。プールに行く日は八月一日と決まった。なら何故その日の前に街部、末代とプールに行かないかというと簡単な言葉でお答えできる。
女子とプールに行った輝きが薄くなるからだ。
もしも同じプールに行ってしまったら「ああ、ここ前と同じだ」とつまらなくなってしまう。だから最初は女子達と泳ぎたかったという訳だ。
しかしあれだな。オタク女子が嫌いと言っておきながら、プールに誘われたら断れない自分がここにいる。
「ああ、早くプールに行きたい!」
それどころか上機嫌な俺は、早く時が過ぎろと心の底から思った。
男なんてそんな単純なものだ。
「ああ、八月一日よ、早く来い!」
更新日:2011-09-20 04:55:21