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一歩、踏み出す

な…なんで…

佐藤さん!?

「ったくお前もよぉ…盗み聞きとかやめろよ…。
ホント、感じ悪いヤツ。」

「だってこんな時間まで店開けてないなんて
しかも店の中はちゃんと電気付いてるし。
変だと思ってドア引っ張ったら開いたんだよ。
こっそり覗いたらこんな状況で無神経に入れるかよ!!」

ぶつぶつと文句を言ってネクタイを緩めながら
佐藤さんが私達のテーブルまで来た。

そして早坂さんの隣に座って

「水瀬ちゃんなら、大丈夫さ」

と私を見て佐藤さんは微笑んだ。

「水瀬ちゃんは自分で思ってる程、悪くはないよ。
俺は少なくともそう思ってるし
…覚えてる?
最初に…営業来た頃にこんな話をしたのを」

…なんかあった気がする。

「自分の事を卑下した言い方はするなって言ったよね、俺?
でもそれって言い方を変えれば
“自分じゃなきゃダメなんだ”
って思う事になるんだ。
きっと水瀬ちゃんじゃなきゃダメな事ってあるんじゃないかな~。
それが仕事なのか、それとも恋なのか…ぜんぜん違う事なのかは分かんないけどね。」

更新日:2011-09-11 01:00:50

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