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小説

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「それで私に渡すものって何?」
「イマ、ナイ。ミーノ家ニ来ル。ソレアル」
「それアルって言ってもねー、思春期の女の子が見も知らぬ男の人の
家に、のこのこと付いて行く訳にはいかないわ」
「ノコノコ? ソレ分カナライ」
「知らない人の家には行けないって言ってるのよ」

「オウ!アンダースタンド。ソレ、オッケー。ミーノ、名前
『ジョナサン』ネ。ユーノ、名前ハ何デスカ?」
「えっ? 私? 私は冴木優香。アメリカ流にファーストネームで
呼び合うなら『ユカ』ね」
「ユカ? オウ、ユカ。オッケー、ビューティフルネームネ」
「外人のくせに随分お世辞が上手いのね。それでどうするの?今から」
「ユカ、ミーノ家ニ来ル。オッケー?」
「だからー、オッケーじゃないってば。私とあなたは他人でしょ?…
やっぱり…そういうのって、困る…」

「ユカ。ミーノ家スグソコデス。コノ公園ノ反対側…トテモ近イ」
「そんな事聞いてんじゃないの。私はあなたの事よく知らないでしょ?
…それに…」
「ユカ!」
「な、なによ。急に大きな声出して」
「ユカ、ミーノ名前ハ?」
「え…と、ジョナサン」
「ミーノ家ハ、ドコニアリマスカ?」
「何、言ってんの。すぐそこでしょ…公園の裏だっけ」
「グッド!コレデミート、ユカハ、フレンドネ」

 ジョナサンと名乗るその男は、いきなり優香の腕を掴むと公園の
出口に向かって歩き始めた。

「ちょ、ちょっと何、訳わかんないこと言ってんのよ!」
「カモン、カモン。ユカ、来ナイト、ミー明日モ捜ス。ソレ困ル」
「私だって困るわよ! もう、お金無いんだからね!」
「ユカ、カモン!」
「うー…」
「ユカ、ミーヲ信ジレナイ?」
「…」

「神ニ誓ッテ何モシナイ。信ジテ欲シイ」
「神様とはさっき縁を切ったの」
「ホワット?」
「ううん、何でもない…いいわ。ジョナサンを信じる。行きましょ」
「ユカ、ミー、ホントニ何モシナイ」
「わかったからー、早く行きましょ。今日こそ早く帰らないと
締め出しものだわ」
「シメダシモノ?ユカノ日本語、時々理解デキナイ」
「いいから、いいから」

 日の長くなった夏の日の午後、どこまでも続く青い空の下で二人は
友達になった。

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更新日:2015-06-27 11:21:13