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小説

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 ジリリリーッ
 目覚まし時計の大きな音に驚いて飛び起きた。
「すごい汗、なんか変な夢見たのかなー」
 記憶の糸を手繰り寄せながら、部屋を出ようとして優香は壁の前で
金縛り状態となった。

(え? …お兄ちゃんの写真が無い、無くなっている…)

 その写真を入れた小さな額はただ壁にかけてあったというのでは
なく、強力な接着剤で壁に貼り付けて固定してあったのだ。

 だがそれは今、何者かによって無惨にも壁紙ごと剥ぎ取られた
状態になっている。
 それはただ単に盗まれたという以上の恐怖感を呼び、優香の身体は
足先まで凍り付いてしまった。

 明け放たれた窓から入り込む風だけが、この世のもののように優香の
長い髪を撫でている…


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更新日:2015-06-27 11:27:31