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小説

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第3章 兆候、そして…

挿絵 800*640

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翌日、優香と麻梨は教室で、いつものようにお喋りに専念している。

「じゃあ、そのジョナサンとかいう変な外人は絵を描いて生活して
るんだね」
「麻梨、[変な]は失礼でしょう」
「だって変じゃん。今時、そんな倉庫の屋根裏に住んで絵を描いて
いるかと思えば、行き倒れたり…もしかして変は変でも[変態]の方
だったりして」
「そんなんじゃないってば」
「何かばってんのよー。まっ、いいや…で、今日も行くんでしょ?」
「うん」

「連れてってよ、私も」
「え?」
「行ってもいいんでしょう? 私も」
「大丈夫だと思うけど…」
「じゃ、決まりね。久しぶりだな、油絵を見るのは」
「ええ? 意外だわ。麻梨に絵を鑑賞するような、高尚な感覚が
備わっていたなんて」

「失礼ねー。私、こう見えても絵画にはうるさいんだから…尊敬
する人はレオナルド・ダヴィンチでしょ、近代絵画ならゴッホ、
ルノアール、ユトリロ…あとピカソも好き、新しいところでは
マリー・ローランサンかな」

「なーんか、どれも小中学生でも知ってるような画家ばっかり」
「もう、うるさいなー! 連れて行くの? 行かないの?」
「だめって言ってもついて来るくせに。それにどうせ目的は
他の所にあるんでしょう?」
「なんの話かなー」
「とぼけてもダメ。青い瞳の友達でも紹介してもらおうとか
考えてるでしょ?」
「ピンポーン!大当たりー。よく分かったわねー」
「大方そんな事じゃないかとは思っていたけど…あぁ、頭いたい」
「と、言うわけでまた放課後来るからねー。じゃーねー」

 満面の笑みを残して教室を出て行く麻梨の後ろ姿に、優香は大きな
ため息をついた。

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更新日:2015-06-27 16:09:06