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小説

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 夢を見た…

 濃い霧があたり一面にたち込めている
 木に寄りかかって身体を休めた
 人間は何万年も前からこうして木に寄り添ってきたのだ

 耳を当てると大自然の息吹が伝わってくるようだ
 頭上を覆うシダ植物特有の大量の葉は強い風や雨から
身を守ってくれるだろう
 両手を幹に回してもまったく届かない程この木は大きい

 私があと何人いたら全員が手を繋ぎあえるだろうか
手を広げたまま、ゆっくり木に沿って歩いてみた
 右手が新しい窪みや出っ張りを見つけては更に這い続ける

 霧は一向に晴れる気配がない

 私はまだ大木に沿って歩いている
 きっと一周し終えるまで歩き続けるのだろう

 右手が何かを発見した、いや手の甲に感じたといった方が正しい
反射的に右手を引いた

 今の感触が何だったのか考えながら少しづつ後退りしていく
「ユ…カ…」
 声?

「ユカ」
 私の名を呼んでいる? 男の人の声…誰?
「…優香」
 低い声とともにゆっくりと顔が現れた
 大木の反対側にいて待っていたのだろうか、それとも…

「お、お兄…ちゃん…?」
「優香」
「う、うそ…こ…来ないで…」
 後退(あとずさ)っていたつもりだったが身体は硬直していた

「優…香…」

「や、やだ、来ないで!いやーーーーーーーーっ」


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更新日:2015-06-27 11:26:00