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小説

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ここまでの、あらすじ2


 冴木優香(さえきゆか)は幼い頃、兄を失った。
以来、毎夜のように恐ろしい夢を見るが、それも年月ととも
薄れていく。

 16歳になった優香は不思議な絵を描くジョナサンと知り合った。
 だが親睦を深めていくなか、突如ジョナサンが消える。
 友人の麻梨、耕平と共にアトリエで捜索し発見したのは一枚の
日記の切れ端。
『仲良く遊んでいる兄妹の姿が見える…女の子が足を滑らして
川に落ちた…』

(10年前のあの日、あの場所にジョナサンがいたの?)
 優香は幼い頃の記憶を懸命に手繰(たぐ)り寄せるが思い出せない。
 3人は静かにアトリエを出た…。


 結局、学年一つ上の三枝健二を加えたミステリー・クラブ4人の
パーティは『夏休みの課題』と称して東北へ向かった。
「川原に行けば全ての謎が解けるかもしれない」そう思うと、
いてもたってもいられなかったのだ。

 優香の祖父の家に到着した4人は、さっそく老人から話しを聞く。
「…確かに川の近くに外人が住んでいた館がある。だが今は、
 そこには誰も住んでいない。皆、呪われて死んだのだ」と言う。
 村長夫婦を含め、この村に他所(よそ)の血を招いたロバートという
男も死んでいる。
 双子の兄妹がいたが、行方不明のままだ。

 数十年も前に、この村で一体何が起きていたのか? 4人は冒険心を
押さえきれず、ついに館の門をくぐる。
 室内には雑然と積み上げられ埃を被った家具や調度類、無数の
ダンボール箱。
 川原が見える木窓には『10年後…』と書かれており、さらには
ジョナサンが描いたと思われる油絵も発見した。

「この館の中には何かが隠されている」
 そう確信する耕平は最後の鍵を使って地下室へと入っていく。
「ほらっ、見て。日記を見つけたわ」
 地下室の棚には無数の資料や日記帳が保管されていた。
 読み終わり、謎も解けかけたその時、優香の背後に一体のゾンビが
迫った。
 何の武器も持たない4人は苦戦を強いられ、結果的に優香は負傷して
しまう。

「これ以上、ここにいては危険だ」
 健二は皆に指示し出口を目指したが、何者かによって館は炎に包まれ
脱出は不可能と思われた。
 だが、とっさの健二の機転により床板を外して地下水道での移動を
図る。
 しかし、またしても前方をクトーニアンという巨大な生物に塞がれ、
やむなく下流から上流へと向きを変更した。

 延々と続く地下水道に流れ込む水は、森の中心を流れる川から
入り込んでいた。
 九死に一生を経て、水面から顔を出した優香がそこで見たものは、
 ジョナサンに初めて貰った絵と全く同じ風景だ。

「もしかしたら俺達は誘い込まれているのかもしれない…」
 村から離れ、まもなく陽も沈もうとしている。4人は何としてでも
明るいうちに帰らねばと焦り始める。
「このまま川を下れば村に着くんじゃないか?」
 健二の考えに皆、賛同し準備を整えるが麻梨が岩場にいた人影を
見つけて声を掛けたことが事態を一変させる。

 4人を追ってくる、その人影は、もはや人とは呼べない姿だった。
 思いとは逆に、さらに森の奥深く入り込んでしまった4人は
濃い霧に包まれ絶望する。
 霧は4人を眠らせ、気がついた時には4時間以上も経過していた。
辺りは霧から闇へと変わっていた。
 そしてその時、暗闇の中から声と共に現れたのは優香の祖父だった。
「おじいちゃん!」
 だが時は遅く、4人は後戻りすら出来ない場所へと来てしまっていた…。

更新日:2015-08-18 09:52:35