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護るため

いつもと変わらぬ村の風景。
一面の緑、森。木と藁の家々。子供たちの笑い声。
のどかなこの村では、心が洗われるようであった。
空は大きく広がり、青と少しの白が混ざっていた。

ゴルドー「もう、あれから7年も経ったのか…。」

昔にもそんなことを言ったような、と首をかしげる。

レインが戦士になって7年。
この村では一番の戦士といわれている。
彼をここまで強くしたのは、きっとゴルドーの修行と龍への想いからであろう。

カン!カン!バチィ!!
竹刀と竹刀の音が響き渡る。

村の少年A「くっそ~、また負けた…」
村の少年B「やっぱりレインは強いなぁ…」
レイン「いや~、たまたまだよ。で、次は誰だ?」
村の少年C「俺だ!」

14歳となったレインは、あと1年で村を出ることになっている。
この村では、そういった決まりがあった。
14歳までの子供と、旅から帰った村の戦士は村の警護。
15歳からは立派な戦士となり、旅を始め、世界の文化を持ち返ってくるのだという。

村の少年A「はぁ…俺らも来年は正式な戦士か…。」
村の少年B「心配だし楽しみだな。ワクワクドキドキってやつか。」

来年は4人の戦士が村を出る予定だ。

村の少年C「痛ぇ!くそ…また負けたぁ!」
レイン「ふぅ、今日はこれで終わるとするか。」

ダダダダダ…後ろから早い足音が聞こえる。
ドガっ!
後頭部に衝撃が走る。

レイン「痛ぇ!なにしやがる…。」

叩かれた後、うずくまるのは小さいころからの癖だ。

フィア「まだ、僕との修行が残ってるでしょうが!」

この、お調子者の子供の名前はフィア。
レインを除くと、この村では一番の戦士である。
年齢は12。だから、体も小さく、力も弱い。
しかし、剣の技術は一級品だった。

レイン「仕方ないな…一回だけだぞ?」
フィア「もっちろん!」

少年たちに笑みが浮かぶ。周りには村人の声援。
竹刀の音が響き渡る。


こんな日々がずっと続くと思っていた……

更新日:2011-09-07 18:50:10

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